飲料の主戦場は自動販売機からドラッグストアやスーパーマーケット、コンビニエンスストアへと移行しています。ナショナルブランドの脅威となっているのが、小売店のプライベートブランドです。

 ドラッグストア最大手のウエルシアはツルハホールディングスと経営統合を果たしました。これにより、5600店舗を超える巨大小売チェーンが誕生しました。親会社はイオンであり、プライベートブランドのトップバリュはいっきに販売網を拡大したことになります。

 トップバリュの公式ホームページによると、ウエルシアで販売している「国産茶葉使用緑茶(ウエルシア専用)」の本体価格は、2000mlペットボトルで税込138円。価格において、ナショナルブランドはとても太刀打ちできません。

 プライベートブランドは、イオン以外でも各スーパーやディスカウントストア、コンビニ大手が開発に力を入れています。競争は激しさを増しています。今後、仮にナショナルブランドが小売店へのリベートに頼って販売数を確保しようとすれば、中長期的には利益が削られる結果にもなるでしょう。

◆「低価格」を打ち出し、生き残りを図る

 独自に低価格飲料を製造販売するメーカーも勢いづいてきました。ポッカから自動販売機事業を買収したライフドリンクカンパニーです。

 この会社は商品カテゴリを水と炭酸飲料、お茶に集中し、「LDC お茶屋さんの緑茶」などの商品を低価格で販売しています。販売数量は右肩上がりで伸びており、2026年3月期は8400万ケースで、前期比で15%伸びる見込み。商品数を絞り込んで安く売るという新たなブランドが台頭しているのです。

 インフレの長期化により、これまでのビジネス構造は破壊されました。低価格と高付加価値の二極化が進む中で、各メーカーが生き残り策を模索しています。

<TEXT/不破聡>

【不破聡】
フリーライター。大企業から中小企業まで幅広く経営支援を行った経験を活かし、経済や金融に関連する記事を執筆中。得意領域は外食、ホテル、映画・ゲームなどエンターテインメント業界