山口組、住吉会、極東会系の異なる組織が…上野4億円強盗で7人逮捕「複数の暴力団幹部」共謀の裏事情

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逮捕されたのは、異なる暴力団の幹部たちだった。

3月14日、警視庁暴力団対策課が事後強盗などの疑いで逮捕したのは狩野仁琉容疑者(21)や伊藤雄飛容疑者(27)、福原健光容疑者(48)ら7人だ。狩野容疑者は指定暴力団山口組系、伊藤容疑者は同住吉会系、福原容疑者は同極東会系の、それぞれ傘下組織の幹部。明確に役割分担したうえでの犯行とされる。

「逮捕された7人のうち狩野容疑者ら2人が指示役、伊藤容疑者ら3人が実行犯、福原容疑者ら2人が逃走用の車を調達したようです。車のナンバープレートは他人名義で取得されていました。狩野容疑者が中心となり、7人は集まったとされます。

事件は、今年1月29日の夜9時半ごろに起きました。指示役と実行犯は、その2時間ほど前に東京都板橋区内の公園に集合。前もって犯行遂行のための情報をつかんでいたのでしょう。台東区東上野の路上で、車に積み込まれていた約4億2000万円入りのスーツケース3個を盗んで逃走したんです。現場にいた40代の男性が、催涙スプレーを吹きかけられるなどの暴行を受けました」(全国紙社会部記者)

伊藤容疑者ら3人の実行犯は、軽乗用車に乗って現場から逃走。その後、狩野容疑者が乗っていたミニバンに移り千葉県流山市や茨城県古河市、栃木県小山市などをを経由し埼玉県川口市方面へ逃げたとされる。

「個々の収入にできる」

「警視庁は、防犯カメラの映像をつないで調べる『リレー捜査』で容疑者らの行方をつきとめました。同庁は、容疑者らの所属する組事務所や自宅など十数ヵ所を捜索。被害金と思われる現金約2750万円を押収しています。同庁は、7人の容疑者の認否を明らかにしていません。

背景にあるのは金(ゴールド)の取引です。ウクライナやイランでの紛争など国際情勢の不安定化で金の価格が高騰。金の売買に税金のかからない香港へ多額の現金を運び、大量のゴールドを調達し日本で販売するビジネスが活発化しています。今回の被害者の一人も、警察の調べに『現金を香港に運んでいた』と話しているそうです」(同前)

冒頭でも紹介したとおり、今回の事件で異例なのは異なる組織の暴力団幹部が共謀していることだ。裏事情について元神奈川県警刑事で、犯罪ジャーナリストの小川泰平氏が解説する。

「理由はいくつかあります。1つ目は、警察の取り締まりなどにより組の求心力が低下していること。2つ目は、違う暴力団の組員が共闘すれば個々の収入にできることでしょう。一つの組織として多額のカネを得れば、組への上納が求められますから。

今回の容疑者らは、所属する組に対し事前に報告していないと思います。アルバイト感覚の犯行だったのでしょう。今後は、組織を横断した異なる暴力団組員の犯行がオーソドックス化するかもしれません」

警察は被害者や現金輸送の情報を誰がリークしたのかなど、事件の背景や全容について捜査している。