「これは一体、何のふざけたニュースだ?」“天才”ヤマルが一部報道に激怒 スペインメディアの暴挙にバルサも猛抗議【現地発】
バルセロナの関係者がその事実を痛感しているのはもちろんだが、誰よりも深く理解しているのは親友のモハメドとソハイドだろう。彼らは、フットボール界の巨星となったヤマルが、まだ故郷ロカフォンダの路上で無心にボールを蹴っていた頃から、常にその傍らにいた。
友人は、ヤマルがそんな些細なことに目を丸くしたことに驚き、そして密かに安堵した。名声と成功の濁流の中にあっても、彼が初心を忘れず、自分が成し遂げたことに素直に感動できる感性を失っていないことを証明していたからだ。
バルサのSD(スポーツディレクター)であるデコは、スポーツ紙『SPORT』のインタビューでこう語っている。
「ラミネには他者にはない利点がある。彼は非常に賢く、経験豊富で、これまでの人生で多くのことを学んできた」
また、スペイン代表のルイス・デ・ラ・フエンテ監督も「18歳の青年としては並外れた成熟度だ」としばしば強調する。クラブのスタッフは、ヤマルのこの「異常なまでの普通さ」をこう表現した。
「ラミネの肌には特殊な樹脂が塗られているかのようだ。大抵のことは、彼に触れてもそのまま滑り落ちていってしまう」
バロンドールを視野に入れながらも、個人賞に固執せず、名声や贅沢も相対的なものとして冷めた目で見つめている。甘い称賛の声にも、すり寄る有名人にも心は動かない。サンティアゴ・ベルナベウでのクラシコでカルバハルに挑発されても怯まず、浴びせられる人種差別的な罵声にも動じない。ある統計によれば、フットボール選手に向けられるヘイトスピーチの6割がヤマル一人に集中しているという。
彼の周囲の人々はこう説明する。
「常人には抱えきれないような問題も、ラミネは極めて冷静に受け止める。人種差別に対しても、決して自らを犠牲者の立場に置くような真似はしないのだ」
ヤマル自身も、米『CBS』のインタビューで、自らの「非日常」を淡々と語っている。
「普通の18歳なら、学校が終われば家に帰るだけだ。でも僕は、練習を終えて帰宅すれば4人のパパラッチが待ち構えていて、プライベートを根掘り葉掘り探られる。テレビをつければ自分が映り、街を歩けば僕のユニホームを着た子供を目にする。飲みに行きたくても、もはや叶わない。プレイステーションで遊び、母と食事をし、弟と一緒に過ごす――そんなシンプルな時間を求めていても、正直に言ってもう普通の18歳には戻れないんだ。周囲が僕を普通には見てくれないし、僕自身もそう振る舞うことは許されないから」
しかし、何事にも動じないはずのこの若き天才が、今月9日、ついに出口のない怒りを爆発させた。
発端は、一般紙『ABC』が報じた一本のニュースだった。カタルーニャ州警察が、元バルサのアンス・ファティ(現モナコ)の兄によるオランダ人女性への性的暴行容疑を捜査しているという衝撃的な内容だ。
だが、あろうことかその見出しには、事件が「ラミネ・ヤマルの自宅」で起きたという記述が添えられていた。バルサの新10番の顔写真が、あたかも事件の主役であるかのようにメディアを占拠したのだ。
