「ブレイクし切れないのが今の自分」オランダで怪我開け好調も日本代表FWは3度の決定機逸を猛省。得点量産へのキーワードは“脱力”か【現地発】
三戸をマークしたのは19歳のプレシウス・ウグブ。25年夏、U-19 EUROでオランダが優勝した時の中心選手だった(当時の所属はアヤックス)。立ち上がりから三戸は切れ味鋭いドリブルで192センチの巨漢右サイドバックを圧倒。18分にはボディフェイントで軽やかにかわし、チャンスを作った。32分にはMFアヨニ・サントスの同点弾をアシスト。三戸が“キラーパス”で崩したわけではなく、“つなぎのパス“をサントスが相手の意表を突いて打ったシュートが決まったものだった。それでも、それまでの好プレーの積み重ねが、三戸へのアシストというご褒美につながった。
それと言うのも、三戸には3度のビッグチャンスがあったから。26分にはゴール正面でフリーになるもシュートを外し、43分には左足ボレーがGKに止められた。前半アディショナルタイムには、細かなタッチのドリブルからGKと1対1になるも、やはりセーブされた。
――前半に迎えた3回のビッグチャンス。あのうち2本でも決めておけば...、という思いでは?
「いや、全部決めていればと思います。そこが自分の力不足かなと思います」
得意のドリブルも前半終わり頃から、徐々にウグブを抜け切れなくなった。
「試合の入りは身体が動いていて、チャンスも何回か作れましたが、途中から右SB(ウグブ)に止められることが多くなり、抜け切れなくなった。あんまり良くない時間が続き、チャンスも決め切れず交代しました」
かつては相手DFの長いリーチに苦しんだ三戸だったが、今は逆に三戸の間合いに相手が戸惑い、なかなか飛び込むことができない。フォレンダム戦でいいプレーを続けた時間帯が、まさにそうだった。
「最初来た当初より自分の間合いで、余裕を持てるようになりました」
私は「今日のいい時のプレーは、すごくチカラが抜けてました」と感じたままを話した。
「ああ、それはたぶん、余裕を持てている時だと思いますね」
敵のラインの間に生まれたスペースにポジションを取るのがうまい三戸は、オフ・ザ・ボールで“走る”のではなく“動く”のでもなく“漂っている”感じがする。いい意味で脱力し切っているから、ボールを受けた後のアクションがとても滑らかで、しかも意外性を伴っている。
――逆に止められている時は、「この1対1、ドリブルで仕掛けて抜くぞ!」というもの(力み)を感じます。
「そうですね。それはあると思います。自分も周りから『行け! 行け!』と言われると、『行かなきゃ』となっちゃって、自分のタイミングではなくなってしまう。みんなの声を受けてチカラが入っちゃっている部分もあったと思います。良い時は、周りの声を気にせず、本当に自分のテンポでプレーできてます」
フォレンダム戦の前半は「これは三戸舜介、ブレイク一歩手前まで来たな」と感じるほど、私は三戸のプレーにワクワクした。しかし、前半3度の逸機、後半の失速はもったいなかった。
「ブレイクし切れないのが今の自分だと思います」
