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ワールドプレミアからわずか2週間

フェラーリ・ジャパンは9月24日、都内で『フェラーリ849テスタロッサ』を日本初お披露目した。9月10日にワールドプレミアしてからわずか2週間。これほどの短期間で日本上陸を果たしたのは、恐らく初めてのことだ。

【画像】早くも日本上陸!フェラーリ849テスタロッサ 全72枚

この日登壇したフェラーリ・ジャパン代表取締役社長のドナート・ロマニエッロ氏は、849テスタロッサをイタリア語で『オット・クワトロ・ノーベ・テスタロッサ』と発音し紹介。8は8気筒、49は1気筒あたりの排気量499ccに由来することも明らかにした。


都内で『フェラーリ849テスタロッサ』を日本初お披露目。    上野和秀

日本人にとって『テスタロッサ』の車名は、1984年にデビューしたバブル期の象徴ともいえるV12ミドシップモデルがメジャーだろう。しかしそもそもは1955年にマラネッロで、ある整備士が余った赤い塗料で高性能なエンジンをマーキングしたことに由来。テスタ(testa)=ヘッド(head)、ロッサ(rossa)=レッド(red)であり、『赤いヘッドカバーを持つ高性能モデル』となるわけだ。

初代テスタロッサは4気筒で、その後は12気筒が受け継ぎ、500TRや250テスタロッサといったレーシングカーたちが登場している。つまり849テスタロッサは、そういった名車のレガシーを受け継いだマシンと解釈し命名されたのである。

個人的に12気筒のイメージが強すぎて、今回の8気筒をテスタロッサと言われても最初はピンとこなかったが、歴史的には何らおかしくない話だ。しかも他ならぬ本家フェラーリが、堂々と使用してきたのである。

ランボルギーニ・レヴエルトを上まわるスペック

849テスタロッサをひと言で説明するならば、SF90ストラダーレのビッグマイナーチェンジモデルだ。3990ccのV8ツインターボをリアミドシップに搭載し、エンジンとギアボックスの間にひとつ、フロント左右にひとつずつ、計3基のモーターを組み合わせたプラグインハイブリッドという成り立ちはそのままである。

F154HC型へと進化したV8は780ps/800Nmから830ps/842Nmへとパワーアップを果たし、モーターこそ3基トータルは220psと変わらないが、システム合計が1000psから1050psに向上した。これは、V型12気筒ではあるが同じくプラグインハイブリッドとなるランボルギーニ・レヴエルトの1015psを上まわるスペックで、もちろんフェラーリ関係者は誰も明言しないだろうが、意識しているのは間違いない。


登壇したドナート・ロマニエッロ氏(右)とマルコ・スペッソット氏(左)。    上野和秀

この日、マラネッロのフェラーリ本社から来日したプロダクトマーケティングマネージャーのマルコ・スペッソット氏は、849テスタロッサのポイントについて、パワートレイン、改良されたコントロール性能、デザイン、新しいインテリアの4つを挙げている。

コントロール性能はブレーキ、タイヤ、サスペンション、電子デバイスからなり、インテリアは直感的に操作できるインターフェイスや物理ボタンの復活などであった。

『ジャッロ・アンブラ』と呼ばれるメタリックイエロー

今回会場に持ち込まれた849テスタロッサは、『ジャッロ・アンブラ』と呼ばれるメタリックイエローだった。テスタロッサの車名から勝手に赤いボディを想像していたので、実車を見て驚いた。

第一印象は、「写真で見るよりもかなりいい」というものだ。2週間前に初めて見た時は、フロントの黒いマスクのインパクトが強すぎてアンバランスに感じていたのだが、実際は周囲と調和し、デザイナーが狙ったという未来感も適度に表現されていると思う。


849テスタロッサのネタ元となる往年のレーシングカー、『512M』。    フェラーリ

フロントディフューザーがかなり長く、その両サイドのカーボンパーツとの組み合わせで、これはかなりのダウンフォースを稼ぎそうと感じた。より大きくなったサイドエアインテークも含めて、ネタ元となったという往年のレーシングカー『512M』を受け継いだ雰囲気が各所に感じられ、機能、デザイン、過去、未来を融合させたことが伺える。

SF90ストラダーレをかつて試乗した際、フロントに搭載された2基のモーターを左右別々に制御するベクタリング効果が絶大で、「なんと楽しいスポーツカーなのか!」と感動したことを覚えている。SF90ストラダーレはトータル1000psのパワーに話題が行きがちで、そして849テスタロッサは車名やデザインに注目が集まる中、各部を改良してきた熟成具合を想像すると、試乗に対する期待は今から高まっていく。

なお日本での価格は、849テスタロッサが6465万円、849テスタロッサ・スパイダーが7027万円となり、アセット・フィオラノ仕様はプラス602万7000円を予定するという。

これだけ早いタイミングで日本へ上陸したということは、トランプ関税に揺れる北米市場や不調の中国市場をよそに、本国からかなり期待されている証拠だ。果たして『テスタロッサ』という切り札ともいえるパワーネームを得て、どれだけのインパクトを日本市場に与えるか。注目したいと思う。