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ラインナップの中で正統派SUVと位置づけ

スバルは6代目『スバル・フォレスター』を日本でもデビューさせた。ボディサイズは先代とほぼ同じながらも、パワートレインはターボに加え、クロストレックと同じストロングハイブリッドを搭載。その詳細と、サーキット内ではあるが試乗することができたのでその印象を記そう。

【画像】サイズはキープも、中身は大幅進化!6代目スバル・フォレスター 全200枚

スバルのグローバル戦略車でもあるフォレスターは、スバルのラインナップの中で正統派SUVと位置づけられている。「競争の激しいカテゴリーの中で、ど真ん中で戦っていかないといけない車種です」と話すのは、スバル商品事業本部プロジェクトゼネラルマネージャーの只木克郎さんだ。


フルモデルチェンジで6代目へと進化したスバル・フォレスター。    内藤敬仁

そこで今回のモデルチェンジでは、デザインを大きなポイントとして開発された。その理由は、「(5代目のフルモデルチェンジでは)あまり代り映えがしないという意見が多かったのです。特に新しいお客様を獲得しようと思うと、外観の魅力をもっと引き上げていかないと苦しいことがわかりました」という。

ボディサイズはほぼ先代のまま

一方で変えてはいけないフォレスターならではの魅力もある。それはボディサイズだ。「フォレスターはこのカテゴリーのクルマにとして少しコンパクトで取り扱いがしやすい一方、室内や荷室が広くすごく使い勝手が良いと認識されていますので、新型も諸元はほとんど変えませんでした」と話す。

新型は全長4655mm、全幅1830mm、全高1730mmとなり、全長と全高が15mmずつ拡大されたほかは、ホイールベースの2670mmも含めて先代と同サイズ。拡大は前述のデザインのためだった。

実はボディサイズ拡大の話もあった。「フォレスターの販売台数をみると北米が中心なので、もっと大きくしてはどうかという発想もありました」と只木さん。

しかし、「大きくしないといけない場合は、お客様が手狭に感じたり、自分にとっては小さすぎると感じたりした場合です。そのニーズには応えなければいけませんが、フォレスターにそういう意見はありませんので、現在のサイズがベストだと判断しました」とのことだった。

デザインはチャレンジ

6代目フォレスターのデザイン開発は、スバルとしてチャレンジだった。

これまでは、「空力や視界、安全性能等の技術要件を数値化して寸法に落とし込み、その制約の中でデザイナーが新しくデザインを生み出していました」と只木さん。しかしこの要件は今も昔もあまり変わらないことから、「この制約の中で新しいものを生み出すにも限界があるので、似たようなクルマができかねないというリスクがありました」と述べる。


6代目では表現したいデザインを先に作り、そこから技術的な背反する要素を解決していったという。    内藤敬仁

そこで今回は、「思い切ってデザインからスタートしました。表現したいデザインを作ったうえで、技術的な背反する要素を解決していったのです」とし、「これまで以上に大きくジャンプアップできたんじゃないか」と語った。

スバルデザイン部でインプレッサ/クロストレック/フォレスター/BRZの開発主査の源田哲朗さんは、先代フォレスターについて、「ウェッジシェイプとキャラクターラインで塊感を表現していました。しかし今回はあえてロアのボディに骨をドーンと通して、そのしっかりとした厚みのあるボディと、キャビンという分けた感じでエクステリアを構成しました」と説明。

人間に例えるとしっかりとした背骨を通してそこに肉付けをしていったイメージだ。そうすることでドア断面も、「大きな張りを持たせました」。

寸法以上の力強さ

もうひとつ、影面も有効に使った。これまではライトキャッチといって光が当たる面を強調してきたが、今回は逆の考え方を採用。フェンダーやドア下部に少しえぐるような形で影面を作ることで、「ドアはしっかりと分厚く見え、フェンダーはしっかり張り出しているように見えるので、寸法以上の力強さが感じられるでしょう」とのことだった。

フロントまわりも変わった。源田さんは、「いままでのヘキサゴングリルやコの字型ランプはお客様にも伝わっているし、否定するつもりは全くありません」としたうえで、「チャレンジするためにこのフォレスターの存在感や力強さをどう表現しようかと考えると、それぞれの要素ごとではなくランプとグリルが一体化した大きな面がいいだろうと。

また、SUVは縦の厚みが大事なのでフードを持ち上げて、それを大きな要素と組み合わせることで、実寸以上に逞しく感じられることを狙いました」と、その造形に込めた思いを語った。

ターボはキビキビ、ストロングハイブリッドはゆったりと

サーキットではストロングハイブリッドの『プレミアムEX』とターボの『スポーツEX』の両方を走らせることができた。今回のラインナップは、両車に加えストロングハイブリッドの『XブレークEX』が用意される。

最初に感じたのはそのステアリングフィールの良さだ。試乗時はあいにくのウェットコンディションで限界域での滑り出しが早くなってしまったが、そのタイミングが非常につかみやすいのだ。従って自信をもってコーナーに侵入でき、さらにシートも最近のスバル車の常でしっかりとホールドしてくれるのも好ましい。


こちらはストロングハイブリッドの『XブレークEX』。他に1.8Lターボも用意される。    内藤敬仁

ただし、先代と比較しヒップポイントがかなり上がってしまったのは残念だ。最も低いシートポジションでもそこそこ高い位置なのだ。その理由は衝突基準によるところが大きい。シートの可動域が大きくなればなるほど、基準に対する対応範囲が広くなってしまう。そこで今回はSUVであることもあり、ポジションを若干高くすることでその範囲を小さくしたのだ。

もっともサーキットなどで走るようなクルマではないので、今回のシーンは特殊なケースといえるが、それでも先代と同じくらいの可動域は欲しいと感じた。

見た目の価格は大幅アップ

また、乗り心地はスポーツEXの方が若干固く突き上げを感じる場面もあったが、先代と比較すると、サスペンションの動き始めがかなりスムーズになったこともあり、しっかりとストロークさせてショックを吸収することが感じられた。

その上でスポーツEXはしゃきっとしたスポーティさを、プレミアムEXは重量が約100kg重いこともあり、しっとりとしたしなやかさを感じさせてくれ、それぞれの特徴が上手く表現されているように感じた。ちなみに、ターボだとコーナー出口では若干オーバーステア気味になり、腕に覚えのあるドライバーならより一層楽しめそうだ。

最後に価格について触れておこう。先代と比較しターボの『スポーツ』で比較すると約55万円アップとなる。ただし先代はオーディオレスであるのに対し今回は標準装備となり、ETCも装備。さらにアイサイトXも備わるので、価格差はかなり縮まる。

また、Xブレークで比較すると、従来型のeボクサーとは約88万円差だが、前述の装備差に加え、ストロングハイブリッドが搭載されるのが大きい。絶対額としてこの差は大きいが、市場がどう受け入れるか、注目したい。