「悲情城市」、上海国際映画祭でチケット即完売 台湾2・28事件題材

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(上海中央社)上海国際映画祭で12日、台湾映画「悲情城市」が上映された。同日から3回の上映が予定されていたが、3700席余りのチケットは即完売。この日の劇場には多くの人が詰めかけ、チケットを買えなかったものの譲ってくれる人がいないか期待して劇場に足を運ぶ人も見られた。

国民党政権が市民を弾圧した1947年の「2・28事件」前後を時代背景とする同作。港町・基隆に暮らす一家の盛衰を通じ、台湾の歴史の最も敏感な部分を浮かび上がらせ、映画の最後には49年、国共内戦に敗れた「国民政府」が台北を「臨時首都」に定めたとのテロップが表示された。ホウ・シャオシェン(侯孝賢)監督の代表作の一つとして知られており、台湾では89年に初公開され、今年2月には4Kデジタル版が公開された。

同作が中国で一般公開されることはない。中国の映画業界関係者は、映画祭で上映する分には問題ないが、商業映画として公開するには歴史の表現上、問題があると指摘した。

同作は今年4月、中国の政治の中枢である北京で開かれた北京国際映画祭でも上映された。

中央社の取材に応じた映画ファンだという来場者は、「北京で上映できて上海で上映できなかったら、上海こそ悲情城市だ」と話した。

中国でノーカットの同作が見られることは非常に貴重な機会だとも語ったこの来場者。「2・28事件は天安門事件を多くの人に連想させる。映画を見終えた多くの人は思うんだ。『いつになったら私たちの悲情城市を撮れるようになるんだろう』って」

(張淑伶/編集:楊千慧)