TSMCのアリゾナ新工場一帯、「リトル台北」を徐々に形成 台湾

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(フェニックス中央社)半導体受託製造世界最大手の台湾積体電路製造(TSMC)が新工場を建設している米アリゾナ州フェニックス市では同社の駐在員を迎え入れるため、住宅やアパートが続々と建設されている。TSMC関連企業や台湾の飲食チェーンも相次いで同市に進出しており、現地で長年不動産業を営む台湾出身の女性は、1年以内に「リトル台北」が形成されるだろうと話す。記者は5日、新工場周辺を訪ねた。

同社が120億米ドル(約1兆6000億円)を投じて建設中のアリゾナ新工場は、2024年に量産を開始する予定。現地時間6日には最初の製造装置を搬入する式典が行われ、バイデン米大統領も出席する。

新工場から車で10分ほどの地域には、すでに同社社員が入居している真新しいアパートや、建設会社や投資家が目を付け、現在建設が進められている住宅地がある。TSMCや関連企業の従業員が暮らす「TSMC村」が厳然と形作られていた。

不動産業者の盧慕さんは、「TSMC村」と呼ばれるエリアの近くにはカフェやガソリンスタンドがあり、車で10分ほど行けばショッピングセンターやスーパー、映画館、レストランもあることから、生活機能は悪くないと語る。TSMCの進出でフェニックス市の不動産発展が促され、今後数年にはアパートや戸建て問わず、ますます多くの建物が建設されると見込む。

3年前に北フェニックスに越して来たというベン・フライさんは、当初は付近には何もなかったものの、今ではショッピングセンターや大型プールなども建てられ、生活環境が充実してきたことを明かす。「TSMCの進出はもちろん素晴らしい。雇用機会が生み出され、不動産価格も上がった。より多くの従業員がやって来れば、私たちの家の価格ももっと上がる」とTSMCの工場設置を歓迎した。

現地で30年にわたり不動産業を経営する張聖儀・北米台湾商会聯合総会会長は、自己居住用住宅のニーズが増えただけでなく、協力企業約40社余りがフェニックス市一帯に工場や事務所を相次いで設置しており、商業用不動産の価格も過去1年で倍以上になったと説明する。

今月2日には台湾のカフェチェーン「85度C」が初めてフェニックス市に店舗をオープンさせた。ドリンクチェーンの「シェアティー」(歇脚亭)や「大苑子」もすでに市内に店舗を構えている。張さんは、台湾の各社がそろえば、1年以内に「リトル台北」の規模はより大きくなると見込んでいる。

(林宏翰、江今葉/編集:名切千絵)