「木製ハンドル」見なくなったのなぜ? 昔定番も豪華さアピールに変化!? でも現代は減った理由とは
最近減ってない…?「ウッドステアリング」が減少したワケ
昔のクルマではウッドステアリング(木製ステアリング)が採用するクルマが存在しました。
しかし、最近では木製ステアリングを見かける機会が減っています。その理由にはどのようなものがあるのでしょうか。

かつては、国内外のさまざまなモデルではウッドステアリングを採用する例が多くありました。
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国産車でも例えば、マツダ「ロードスター Vスペシャル」やホンダ「シビック RS」のなどにウッドステアリングが採用されていた歴史があります。
そんなウッドステアリングですが、最近のモデルには採用が減っています。
ウッドステアリングにもいくつか種類があり、前述のロードスターやシビックでは全周ウッドですが、モデルによっては一部のみをウッド化したものや、ウッド調のものなどが存在。
そうしたなかで、全周ウッドを使用したステアリングが減少した背景にはどのような理由があるのでしょうか。
マツダの広報担当者は、その理由について次のように説明します。
「まず、ウッドステアリングとウッドシフトノブはセットで考えられるものといえます。
両手に触れる、両者の質感を揃えることはとても重要です。
『操作』という機能と『工業製品としての精度』という視点で、どちらも約40年以上まえまでは木材が優秀でした。
回すモノとしての高精度な円形形状と握り心地の良い断面、裏のボコボコなど手になじむ3次元形状。
こうしたものは、多分当時は、木材ではないほかの素材では実現できなかったのだと思います。
しかし、性能が向上して車速が高まるにつれ、ハンドルやシフトノブには、それまで以上に道具としての精度と信頼性が求められました。
さらには、緊張すると手に汗をかいたり、握る場所が変わったり、疲れてしまったりという人間の特性などへの配慮も必要となりました。
そしてかつてのように、『レーシンググローブをはめて運転しましょう!』といったごまかしも使えなくなり、次第にノスタルジーだけでは作る理由にならなくなってしまったというわけです。
結果、一定数ニーズがあったとしても、それに応えられないのが実情なのだと思います。
一部のスーパープレミアムでは採用していますが、手で触らない、性能に関係のない位置の加飾どまりとなっています」
ニーズだけじゃない? トレンド的要素もあった?
さらに、マツダの広報担当者は、デザイン的な視点も指摘しており「ステアリングやシフトノブで使える本杢(ほんもく)は、クリアでテカテカに塗装されてしまうので、近年のモダナイズされた本杢やインサート加飾とはひとつの空間に共有できなくなってしまいました」といいます。
通常、木材を活用したステアリングやシフトノブは、ひび割れなどの予防や一定品質の確保、劣化や事故の際の飛散防止のために表面がクリア加工されています。
そのため、質感は木板のようなマットなものではなく、マツダの広報担当者が説明するように艶やかなものとなります。
テカテカしたステアリングやシフトノブは、デザインの観点から、最近のクルマに多く見られるマットでシックな質感の内装とは相性が合いにくくなっているというのが実情です。
さらに、マツダの担当者は次のように説明を続けます。
「かつては、インパネもシフトパネルもドアトリムも、いたるところがテカテカ塗装されていたので、結果的にウッドステアリングとも相性が良く、高級感も感じられていました。
ウッドステアリングのクリア加工は手との摩擦係数に直接関わる表面処理なので廃止することは難しく、デジタルデバイスが増えつつあるクルマの内装のなかに、テカテカした質感のステアリングの復活は困難だと思われます」

またホンダの広報担当者は、ウッドステアリングが減った理由として「木材のコストが高いことも要因のひとつ」と話しますが、それ以上に「トレンドが関係している」といいます。
「ウッド調ステアリングの強度・耐久性に関してはどの仕様も同等の品質を保証しておりますが、それ以上に現在の時代の流れとしてウッド調が流行っていないのがおもな理由です。
今後の流行によってはウッド調またはそれに代わる加飾なども提案する可能性はあるかと思います」
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このように、ウッドステアリングが減少した背景には、クルマの進化にウッドステアリングの性能が追いつかなかったことや、デザイン、コスト、現代のトレンドなどさまざまな要因が関係しています。
