「20代で家を建てた」全国の10万人は「人生の勝ち組」か?

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日本における持ち家率は6割を超え、年齢があがるほどその割合は高くなっていきます。持ち家離れなどと言われていますが、まだまだ「いつかは自分の家を持ちたい」と多くの人が夢見ているのです。もし20代でマイホームが持てたなら……若くして一国一城の主を実現した場合を考えてみましょう。

「20代でマイホームを実現」は全国で10万人

国土交通省『2020年土地保有・動態調査 (2019 年取引分)』で個人による土地の買主を年齢階級別に見ていくと、「30〜39歳」で最も多く、次いで「60〜69歳」となっています。

■土地取引件数(買主年齢別)

20歳未満:332件(0.0%)
20〜29歳:98,329件(10.0%)
30〜39歳:332,820件(33.7%)
40〜49歳:226,803件(23.0%)
50〜59歳:103,361件(10.5%)
60〜69歳:108,107件(10.9%)
70〜79歳:93,837件(9.5%)
80〜89歳:19,549件(2.0%)
90歳以上:3,518件(0.4%)

また買主の取引面積で見ていくと、最も多いのが「50〜59歳」で1件あたり1619屐¬490坪となります。

■土地取引面積(買主年齢別)20歳未満:104,693屐0.0%)
20〜29歳:25,061,494屐4.0%)
30〜39歳:102,661,293屐16.3%)
40〜49歳:68,028,556屐10.8%)
50〜59歳:167,373,972屐26.5%)
60〜69歳:133,867,138屐21.2%)
70〜79歳:77,964,536屐12.3%)
80〜89歳:51,460,264屐8.1%)
90歳以上:1,181,336屐0.2%)

このなかで、20代に注目をしてみましょう。20代の取引98,329件のうち、「宅地」として土地を購入したのは94,936件。約97%と、ほぼ住まいのために土地を購入しています。また購入した25,061,494屬里Δ繊宅地として購入したのは43%にあたる10,997,330屐1件あたり112屐¬34坪となります。

20代で土地を買う際、初めて家を買う、という人がほとんどでしょう。そのように考えると、1年で約10万人の20代がマイホームを建てている、と考えることができるでしょう。

国土交通省『平成30年度住宅市場動向調査』によると、注文住宅(土地を購入し、戸建てを建てる場合)を建てた人の平均年齢は44.1歳。「夢のマイホームを建てました」という全国の10万人あまりの20代は、平均よりもかなり若くして実現させたことになります。

同調査によると「購入資金(土地+建物)」平均3970万9500円、「自己資金比率」平均31.2%。仮に29歳で2700万円・35年の住宅ローンを活用してマイホームを建てたとします。当初5年の金利を0.6%、5年目以降は1.5%として計算します。

利息分は645万713円、総支払額は3345万713円。月々の返済は、当初5年は7万1287円、5年目以降は8万1038円。63歳で返済が完了する予定です。

あくまでもシミュレーションですし、途中に修繕などマイホームの維持費も別途かかってきますから、これだけで判断するのは難しいですが、月の返済額からも無理のない返済プランといえるでしょう。

私は20代で家を建てました(※画像はイメージです/PIXTA)

40代、定年前に住宅ローン完済を目指すと…

20代でマイホームを実現すれば、無理のない返済プランとなりますが、これが注文住宅購入者平均の44歳でローンを活用したとなるとどうなるのでしょうか。年金暮らしが始まる前に、ということで20年で返済しようとしたら、利息分は312万6569円、総支払額は3012万6569円で、330万円ほど、総返済額は減りますが、月々の返済額は当初5年は11万9413円、5年目以降は12万7566円。35年ローンで返済する20代購入組に比べて、毎月1.5倍の負担となる計算です。

40代というと、子供の教育費の負担も徐々に大きくなる頃です。文部科学省『国立大学等の授業料その他の費用に関する省令』、『私立大学等の令和元年度入学者に係る学生納付金等調査』によると、国立大学の初年度納付金は81万7800円、私立大学は文系で117万2582円、理系で154万9688円。4年間大学に通うとなると国公立大学で250万円ほど、私立大学文系で400万円、私立大学理系で550万円程度の費用が必要となります。

また実家からの通学が難しいとなると下宿することになり、毎月仕送りする必要が出てきます。独立法人日本学生支援機構『平成30年度学生生活調査』によると、国立大学の場合、家計からの仕送りは116万円強、公立大学は99万円強、私立大学は170万強。学費と合わせると、1年間の負担額は、国立大学の場合は178万円、公立大学では162万円、私立大学では310万円程度となります。

通常、年齢とともに給与もあがっていきますが、家計の負担も増えていきます。そう考えると、若いうちにマイホームを実現し、長期的な視野で返済していく、場合によっては繰り上げ返済で住宅ローンから解放される、というのが、有効な方法といえそうです。