「病院に行くと『あの人コロナだ』と…」 闘莉王氏、ブラジルで起きる“差別”に憤り
闘莉王氏が生活するブラジルの小さな町にも…「一気に10人に感染の疑いが出た」
2010年にサッカー南アフリカワールドカップで日本代表の16強進出に貢献するなど輝かしい実績を残し、昨季限りで現役を引退した田中マルクス闘莉王氏。日本では、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて7都府県で「緊急事態宣言」が発令されたが、現在、闘莉王氏が暮らすブラジルのサンパウロ州でも感染拡大防止のため「外出禁止令」の延長が決まった。「THE ANSWER」の単独取材に応じた闘将は、ブラジルで起きている“コロナ差別”の実情を紹介。「日本では絶対にしてはいけない」と熱く提言している。
日本では、11日に新たに700人以上の新型コロナ感染者が確認されるなど、感染拡大が続いている。一方、ブラジルでも合計の感染者1万7857人、死者941人(在ブラジル日本大使館発表最新版)と連日、数字が大きく推移。昨年、19年間のプロキャリアに終止符を打った闘莉王氏の住むサンパウロ州パルメイラ・ド・オエシチにも暗い影が忍び寄ってきたという。
「それまで町全体で新型コロナの疑いは1人で、陰性と判明したところだったけれど、新たに一気に10人に感染の疑いが出た。陽性でなければいいけれど……。本当に心配」
両親への親孝行のためにブラジルに一旦戻り、遠く離れた日本の人たちとのコミュニケーションツールとするためにYouTube公式チャンネル「闘莉王TV」を立ち上げた闘莉王氏。サンパウロの都市部から車で7時間半、人口9000人という小さな町も新型コロナウイルスの脅威にさらされているという。
ブラジルの“コロナ差別”に怒り「日本では同じ状況は絶対に起こってほしくない」
さらに、ブラジルでは9日にわずか1日で感染者が1930人増加したと報告されたが、この“コロナ禍”に伴って生まれた危険な状況も闘莉王氏は危惧している。
「そもそもコロナウイルス以外の病気や怪我で病院に行かなければいけない人たちがいる。それなのに、今、病院に行くと『あの人がコロナだ』と、周りから差別されてしまう。実際にそんなイジメも起きている。あれはダメ。絶対にしてはいけない」
病院に通うだけで周囲から白い目で見られるというブラジルの深刻な現実に闘将は憤りを隠そうとしなかった。
「大人も子供もそう。『お前は病院で何をやっているんだ』という話にすぐなってしまう。ブラジル人はとにかく流されやすい。それが良くない」
ブラジルでの新型コロナウイルス感染者は2月26日に初めて報告された。すると、3月中旬から事態は急激に悪化。サンパウロ州で3月25日から2週間の予定で出されていた外出禁止令は4月22日まで再延長に。コミュニティや隣人との隔離の日々は続くことになった。
「今は世界のみんなが団結しなければいけない時。日本では同じ状況は絶対に起こってほしくない」
ピッチ上でチームメートとサポーターを鼓舞してきた闘将は熱く訴えていた。(THE ANSWER編集部)
