ルイス・ネリ【写真:Getty images】

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計量失敗前にメディアに言いたい放題、井上相手には再三挑発

 ボクシングのWBCシルバー・バンタム級タイトルマッチは22日(日本時間23日)、前WBC世界同級王者ルイス・ネリ(メキシコ)が前日計量でリミットを1ポンド(約450グラム)オーバーでクリアできず。一発クリアした元IBF同級王者エマヌエル・ロドリゲス(プエルトルコ)が実施を拒否し、試合はキャンセルになった。各方面から大ブーイングを浴びている計量失敗の直前、問題児は五輪連覇王者のレジェンドに対して「退屈」と侮辱していたことが明らかになった。

 FOXスポーツのペイパービューで生中継された米興行「プレミア・ボクシング・チャンピオンズ(PBC)」の前座で開催される注目のマッチアップは、自らの愚行で急遽中止となったロドリゲス戦の計量当日、米地元紙「エル・ヌエボ・ヘラルド」では不遜な発言を連発していた。

「バンタム級はとてもタフな階級になった。オレはこの階級最強の1人だ。ナオヤ・イノウエとオレこそがこの階級のリーダーだ。そして、オレの方が強い」

 IBF・WBAスーパー王者の井上尚弥(大橋)を相変わらず挑発していたネリだったが、ロドリゲス戦では前日計量で1ポンド(450グラム)オーバー。再計量を命じられたがこれを拒否し、ロドリゲス側と金銭面での補填交渉に入っていた。

「オレはハードにトレーニングして、ファイトを楽にする。ジムで必死にトレーニングすればするほど、ファイトは楽に終わる」と語っていたはずだが、ボクサーにとっては“前哨戦”ともいえる減量の努力をお金で解決しようとしていたのだ。

リゴンドーを酷評「もっと派手だったら…」

 そして、同じPBCを舞台に戦う15歳年上のレジェンドについての質問でも言いたい放題だったという。シドニー、アテネ五輪で2大会連続金メダルの元スーパーバンタム級世界王者ギジェルモ・リゴンドー(キューバ)について「彼はとてもいいボクサーだが、多くの人間が興味を示していない。彼はちょっと退屈なスタイルなんだ」と酷評していた。

 鉄壁のテクニシャンのリゴンドーは2013年4月に全盛期のノニト・ドネア(フィリピン)とスーパーバンタム級での統一戦を制した名手だが、「もっと派手だったら、人々は重視しただろう。ほとんどの人間が彼を知らない。いつも同じさ。退屈で、ファイトしないんだ」「彼はまさにボクサースタイル。パンチを出すが、当たってはいない。それもボクシング。偉大なファイターだけど」と言い放ったという。

 バンタム級最強の呼び声高い井上を再三再四挑発した上に、レジェンドも侮辱していたネリ。しかし自身は減量を放棄し、リングにも上がれないという愚行をおかしてしまった。(THE ANSWER編集部)