あおり運転、米国でも急増中。エアガンどころか射殺も頻発

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 運転中のいざこざはどこの国でも起こり得るもの。日本では「あおり運転」をめぐって、8月に殴打事件、9月にエアガン発射事件が起きるなど、社会問題となっている。実は、米国でもあおり運転による事件が急増しているという。

 アメリカでは運転中に怒りを感じる人が多いことが調査で分かっており、銃社会であることも重なって、うっかり車線変更して他の車の前に割り込んだりすると、命の危険にさらされる可能性も十分にあり得るのだ。

◆アメリカ人ドライバーの80%は「運転中に怒りを感じている」

 CNNによると、ここ数年、全米であおり運転被害が激増しているという。

 National Highway Traffic Safety Administration(国家道路交通安全局)は、2006年に80件程度だったあおり運転による被害が2016年には467件と、10年間で5倍に増えたことを発表。

 中でも、銃を持ち出して相手のドライバーや同乗者を脅すケースが多く、2014年の年間を通して247件だった事件が2017年上半期だけで325件と増え、2日に1度のペースで銃を用いたあおり運転事件が起こっているというのだ。

 また、American Automobile Association’s Foundation for Traffic Safety(アメリカ自動車協会)の2016年の統計調査では、「運転中に激しい怒りを感じたことがある」と答えたドライバーが全体の80%もいることが分かっている。

 驚くべきは、4900万人が「別の車両が車線変更するのを邪魔しようと試みたことがある」と回答し、そのうち半数が「割り込み運転をした経験がある」と回答していること。さらに、800万人が「車から降りて別のドライバーに文句を言いに行った経験」を持ち、600万人が「意図的に衝突事故を起こす」などの行為をしたことがあると答えていることだ。

 どうやらアメリカ人は慢性的に疲労やストレスを感じており、運転中はとにかくイライラしているということらしい。

◆あおり運転が殺人につながる銃社会アメリカ

  アメリカではあおり運転が殺人事件につながるケースが多く、こうした事件を起こした容疑者に対しての刑罰は非常に厳しい。

 例えば、2年前、あおり運転の末に高校を卒業したばかりの女子学生ドライバーを射殺したペンシルバニア州在住・28歳の男には、最高40年の懲役刑(Fox News フォックスニュース)。

 相手側ドライバーの男性を銃で殺害し、助手席に同乗していたガールフレンドにも重症を負わせたカリフォルニア州在住・28歳の男には懲役72年、100歳になるまでの実質終身刑判決が下された(Mercury News マーキュリーニュース)。

 さらにこんな例もある。1年ほど前にインディアナ州で起こったあおり運転の末の銃撃事件で、同乗者を銃殺されてしまった側のドライバーが逮捕されるというケースだ。

「Indy Star インディスター」によると、背後にぴったりとついてきた車両に激怒したドライバーAが窓から発砲すると、後ろのドライバーBも銃を取り出して反撃。その銃弾がAの同乗者に命中し、死亡してしまったという。

 しかし、裁判では反撃したBの正当防衛が認められて彼は被害者扱いとなり、最初に攻撃したAの方が危険運転をした張本人であると判断された。結果、Aは短期間ではあるが懲役刑を下されてしまったのである。

 どの事件に関する記事を読んでも、逮捕された側は一様に「最初に危険運転をしてきたのは向こうだ」と思い込み、逆ギレして銃を持ち出し、事件を起こしているよう。考えてみれば、日本で相次いで起こったあおり運転の容疑者たちも同様に「相手に否がある」と主張をしている場合が多い。

◆「SOS」はひと目につきやすい場所まで運転してから

 では、旅行やビジネスで訪れたアメリカで、自分は危険運転などしたつもりはないのに逆恨みされ、あおり運転の被害にあった場合は、どうしたらいいのだろうか?