米アマゾン・ドット・コムのeコマースサイトに数多くの安全基準不適合商品があることが分かったと米ウォール・ストリート・ジャーナルが8月23日に報じた。

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約4000点が基準を満たさず

 同紙が調査したところ、当局に危険と判断されたものや販売を禁止されたもの、不当表示のものが合計で4152点あったという。そのうちの2000点以上は玩具と医薬品で、子どもの使用に関する健康リスクの注意書きがなかった。

 また、少なくとも157点は、アマゾンが販売を禁止したと言っていた商品。その中には乳児を窒息させる恐れがあるとして米食品医薬品局(FDA)が警告していたスリーピングマットが複数あったという。

 人々は日々、アマゾンを大規模小売店舗のように利用し、その商品は十分に安全だと考えている。しかし同社はフリーマーケットのような形態に進化しているようだとウォール・ストリート・ジャーナルは伝えている。

 アマゾンは商品を厳格に審査していると言うが、日々増え続けるマーケットプレイス(出店者)の商品に対応できなくなっている。その多くは販売元が分からない、あるいは中国の業者で、十分な情報が提供されていないと、同紙は指摘している。

専門のチームやAIで不適合商品を排除

 アマゾンはすでに指摘を受けた商品の大半を削除したり、説明文を変更したりした。23日には声明を出し、「アマゾンのすべての商品は法令を遵守する必要がある」と述べ、その管理体制について説明した。

 アマゾンによると、同社には法令遵守の専門チームがあり、出店者に提出させた製品安全書類を確認している。出店者にはアマゾンへの商品の提出も義務付けているという。2018年は30億点以上の疑わしい商品の販売を不許可にしたという。

 また、同社には自然言語処理技術や機械学習技術を使ったツールがあるという。すでにサイトで販売されている商品について、詳細ページの更新情報を調べている。その頻度は数分おきで、1日当たり50億の変更点を確認するという。ユーザーのレビューもチェックし、懸念の兆候がある商品を調査している。このツールの性能向上と精緻化にも努めていると説明している。

マーケットプレイスの管理に苦慮

 アマゾンは膨大な数のマーケットプレイスの管理に苦慮しているようだと米CNBCは伝えている。

 今年5月、ワシントン州のボブ・ファーガソン司法長官は、アマゾンが学用品と子ども用アクセサリーの品質管理基準を見直すことに合意したと発表した。マーケットプレイスで販売されていたこれらの商品に違法なレベルの有害金属が含まれていたという。

 先ごろは、アマゾンがマーケットプレイスではびこる偽造品販売業者に苦慮しているとも伝えられた。違法業者の排除を目的とした措置にミスがあり、適正に事業を行っていた業者のアカウントを停止したことがあった。ライバルの出店者を妨害する目的の虚偽報告が見抜けなかったと指摘されている。

 一方でマーケットプレイスはアマゾンにとって重要な収益源となっている。ウォール・ストリート・ジャーナルによると、アマゾンが自社で商品を仕入れて販売する場合の営業利益率は1桁台の前半。これに対し出店業者の販売分では20%台になるという。

 (参考・関連記事)「アマゾン、違反出店業者のアカウント停止措置を緩和」

筆者:小久保 重信