ファミリービジネスが世界のリーディングカンパニーを生み出す母集団に
“旦那ファンド”で長期的な投資も
―同族企業にとって事業承継は大きな節目となります。どのような承継が望ましいでしょうか。
「計画的、戦略的に準備しておかなければならない。非連続的な変曲点にしてしまってはいけない。病気になったから突然子どもを枕元に呼んで、会社を継いでくれというのが最悪のケース。後継者は先代が築いた守るべき価値観を継承しながら、新しい事業にも乗り出していくことが必要となる。特に初代は攻めるだけで良かったかも知れないが、二代目は守りと攻めのバランスが必要で、継続しながら変革しなければならない」
「長期間にわたってリスクをとれるという点は、ベンチャー企業への投資でも生かせる、それを“旦那ファンド”と呼んでいる。ベンチャーキャピタルや大企業もベンチャー投資をしているが、どうしても期限を区切らなければならない。しかしファミリービジネスであれば長い目で見て育成できる。パトロンとして地域文化を支えたかつての旦那衆と同じようなイメージだ。海外のベンチャーにだって投資すれば良いし、そこが成功すればノウハウを吸収することもできる」
【略歴】
長谷川博和(はせがわ・ひろかず)1984年野村総合研究所入社。企業調査部にて自動車産業の証券アナリストとして産業分析、企業分析を行う。アナリスト人気ランキングの自動車部門で1位を獲得。1993年からは日本最大のベンチャーキャピタルであるジャフコ投資調査部に出向。今後の日米の成長分野・成長企業を包括的にまとめると共に、主要投資候補先・投資先に対する経営アドバイスを実施してきた。1996年にグローバルベンチャーキャピタルを設立し、代表取締役社長就任、現在は会長。スタートアップ段階の企業育成を得意とし、出資に加え取締役・監査役就任などベンチャー企業の経営に数多く参画している。2002年から京都大学大学院MBA非常勤講師、2010年から青山学院大学MBA特任教授、2012年から早稲田大学MBA教授に就任。国際ファミリービジネス総合研究所所長。
