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建築費の高騰が続く中、新築ではなく既存の築浅アパートに目を向ける不動産投資家が増えている。資材不足や工期の遅延リスクを回避できるという発想は理にかなっているが、不動産投資アドバイザーの木村洸士氏はこう語る。「そこには意外な落とし穴がある」と。
 
「1億円の物件が1,800万円値引きされて8,200万円、利回り7%」――この数字だけ聞けば、お得に映るかもしれない。しかし木村氏によれば、経験を積んだ投資家は値引き額にほとんど関心を示さない。重視するのは「何%で回るか」「入居が安定するか」という実績だ。値引き幅の大きさは、売り手側の演出に過ぎないと言い切る。
 
立地の見方もまた、単純ではない。「駅徒歩12分」という数字が同じでも、険しい坂道が続く物件と平坦な道の物件では入居率に大きな差が生まれる。夜間に公園の中を通り抜けなければ遠回りになるような導線、周辺にスーパーも施設もないエリアなど、数字には現れない障壁が空室リスクを高める。階段や擁壁も同様で、「あるから即NGではなく、入居が埋まるかどうかが本質だ」と木村氏は述べる。
 
そして物件購入の核心として木村氏が繰り返すのが、「出口から逆算する」という考え方だ。購入時点ではなく、10年後・20年後にいくらで売れるかを見据えた上で、今の価格が妥当かどうかを判断する。同エリアの類似物件の売り出し相場をポータルサイトで確認すれば、売却価格の目安はある程度把握できる。
 
収支のシミュレーションについては、空室・家賃下落・修繕費をすべて最悪想定で積み上げると「数字が合わなくなって買えなくなる」と指摘。運営スキルで改善できる部分を無視した過剰なリスク見積もりは、現実的な判断を妨げる。
 
重要なのは毎月の収益と売却時の資産回収を合わせたトータルの収益性だ。築年数が進むにつれて家賃収入は下がり、修繕費は増える。収支がマイナスに転じる時期が来るとしても、その時点で残債が十分に減っていれば、売却によって大きな資産を手にすることができる。
 
アフタートークで紹介された事例がある。愛知県の築6年・1億円の物件をフルローンで取得し、利回り9%を実現したケース。木村氏は「利回り9%なら、多少家賃が下がっても黒字を維持しやすい。買えた人は本当にいい買い物をした」と評する。

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