警察は議会が再び占拠されることを警戒し、立法院と周辺に警察官4000人を動員して、厳戒態勢をとっている。

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◆解説◆
 議会を占拠した学生らは、「退去前に占拠していた議場などの原状復帰を行う」、「占拠について法律上の責任を追及された場合、逃げるつもりはない」などと表明していた。自らの行為を「台湾のためにはやむをえないもの」としつつも、「法の尊厳を踏みにじることはできない」との考えを強く打ち出した運動とみなすことができる。

 馬英九政権は、サービス貿易協定の問題以外にも、核四(第4原発)の建設推進を巡り、大きな批判を浴びている。推進の是非だけでなく、「社会に対する約束破り」がさらに大きな反発を呼ぶなど、強引な政治手法そのものが批判の対象になった点で、サービス貿易協定の問題と同様の構図だ。

 台湾では11月末に、主要7地域の首長を選ぶ同時選挙が実施される。すでに「国民党の敗北は確定的」との見方が強まりつつあり、「問題は、馬英九政権がどこまで惨敗を食い止められるかにかかっている」との声も出ている。台湾では2016年に総統選挙があり、11月の同時選挙は総統選の行方を占う鍵になるともみなされているからだ。

 王立法院長を巡る裁判については、通常ならば11月の地方首長選までに判決が確定してもおかしくはないが、仮に王院長の主張を認める判決になった場合には馬英九政権にとっては限りなく大きな打撃になるだけに、馬政権側が裁判の引き伸ばし戦術に出る可能性もある。

 馬総統と王院長はかつて、民進党からの政権奪回のために“二人三脚”のように、さまざまな選挙を戦ってきた。決裂の背景には、王院長が「民主的な議会運営の信念を貫いたため」との見方がある。

 王院長が「野党である民進党の主張をできるだけ尊重」する議会運営をしたため、馬政権にとっては重要法案が通らない事態が多発し、ただでさえ支持率が10%未満という苦境にある馬英九総統がいらだちを抑えられなくなったとの分析だ。(編集担当:如月隼人)