「鄭大世に申し訳ない」韓国検察の捜査に韓国ネットユーザーら反発

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「金正日総書記を尊敬している」
韓国の水原三星に所属する鄭大世(チョン・テセ)が、2010年に海外メディアに述べた発言が、韓国で大きな波紋を広げている。

韓国検察は20日、鄭大世を国家保安法違反容疑で捜査を始めたと発表した。韓国の保守団体「インターネットメディア協会」は今月14日、鄭大世が海外メディアに「私は金正日を尊敬する。何が起きても金正日を信じ従う」と北朝鮮を称賛する発言をし、国家保安法に違反したとして検察に告訴。検察はこれを受けて、基礎的な捜査に着手した。

鄭大世は日本で生まれた在日コリアン3世。韓国の国籍を持つが、2007年に北朝鮮代表メンバーに抜擢された。2010年のサッカーワールドカップ(W杯)南アフリカ大会では、北朝鮮代表として出場した。

2013年に水原三星と契約を結んだ際には、韓国の一部サッカーファンが国籍をめぐり反発した。6月に行われたKリーグオールスター戦出場投票では、一時、鄭大世がトップに浮上したが、出場を嫌う一部のファンが投票反対運動を展開したことにより脱落となった。だが、オールスター戦には監督の推薦選手として出場する予定という。

韓国のインターネットユーザーらは、鄭大世を告発した保守団体を非難している。「北朝鮮代表である鄭大世に、韓国の国家保安法違反は通用しない」、「せっかく韓国に来たのに、こんなことになるとは…鄭大世に申し訳ない」、「北朝鮮より閉鎖的だ」、「韓国サッカー協会や三星はどうなるんだ?」などといったコメントを寄せ、検察の捜査に反発した。

・参照:京郷新聞
・参照:アジア経済

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