訪日経験のある米国人男性が、日本文化に関する情報を発信するブログ「tofugu」で、日本の菜食主義について語っている。

 筆者は、「日本の菜食主義は米国とは異なる」と語る。その理由として、仏教が関係しているという。「仏教はすべての命に敬意を示す日本文化と深い関わりがある。敬けんな仏教徒は命を大切に考え、肉を食べることを避ける」と述べ、日本の菜食主義にはこの考えがルーツにあると紹介した。

 日本は鎌倉時代以前の僧侶は、肉食が認められなかった。この禁止は日本食に大きな影響を残したと感じたようだ。「日本人は肉の豊かでおいしい味を使わずに、野菜の味を利用し、うま味を得る方法を見つけた」と記している。

 日本食は仏教の影響が大きいが、実は日本で完璧な菜食主義になることは難しいと語る。そもそも菜食主義の日本の定義は、米国とは異なるようだ。日本語の菜食主義と英語のベジタリアン、2つの意味は異なる概念を意味する。日本語の菜食主義は、英語のベジタリアンよりゆるい意味で使われていると感じたという。

 日本の仏教徒は歴史上、肉は禁止されていた時期があったが、魚は禁止されていなかったという事実から、「日本で菜食主義の食事を食べたとしても、魚介類のダシが使用されているので、本当の菜食主義ではない」と指摘した。

 また日本食は、動物性製品を含むかどうかが、明記されていない場合があるという。明らかに肉や魚だと分かる食品はなくても、スープや煮物のダシにかつお節や煮干しが使用されていることは多いため、肉を食べないベジタリアンにとっては判別が難しく、戸惑うことがあると述べた。

 ベジタリアンは菜食主義者の訳語だが、健康上や宗教上などを背景として、野菜以外は食べないという人から、乳製品や卵は食べるという人までその定義はさまざまだ。日本における菜食主義では、精進料理が近い。しかし、大豆や野菜、キノコ類を中心としながら、魚介類や卵は取っていたともいわれている。

 一方で、最近では日本のダシの味が「UMAMI(うまみ)」として海外で紹介されることもある。それに伴って、ダシに動物性の材料が使用されることを知る人も増えているようだ。(編集担当:田島波留・山口幸治)