グッドデザイン賞受賞も。和の原点回帰へ。イグサに魅了される人々。
国産イグサを用いた畳表や花ござの生産を主流としている株式会社添島勲商店が、若手インテリアデザイナーの注目株 清水慶太氏と組み、プロトタイプから3年の期間をかけて企画・開発したという「IGSA」シリーズ。金属フレームの骨組みに畳やゴザの材料であるイグサで編んだ生地を取り付けた、スタイリッシュでカラフルな外観は従来のイグサ商品のイメージを一新し、昨今のライフスタイルに併せ易いインテリアとなっており、既に2008年グッドデザイン賞受賞や2008年福岡産業デザイン賞を受賞している今注目のインテリアだ。
株式会社添島勲商店と 清水慶太氏との出会いは5年前にさかのぼる。清水氏自身が個人で手がけている作品に関係し、5年前にイグサの産地を訪れたことがきっかけで株式会社添島勲商店側との出会いがあった。そこで、清水氏が株式会社添島勲商店の生地を用いて作品作りをしていたことがわかるなどの偶然の一致もあり、その後、株式会社添島勲商店が清水氏に制作協力を行うなどもしている。そんな流れの中、当時、清水氏が発表したイグサを用いた作品に株式会社添島勲商店側が非常に興味を持ち「商品化を出来ないか」と考えたことが、今回の「IGSA」シリーズ商品化へと繋がった。それまではイグサを用いた平面的な商品を提供していた株式会社添島勲商店が、立体にすることでまた新しい魅力や楽しさをアピールできるのではないか、と新たなイグサの魅力と商品のあり方を提案したのがこの「IGSA」シリーズなのだ。
「IGSA」シリーズは、ローからハイまで三段階の高さがあるスツールと、ゆったりと体を預けてくつろぐことができるラウンジチェア、80センチ四方という十分なサイズのローテーブルの5種類のアイテムと、オレンジ・イエローグリーン・パープル・ブラックの四色のカラーバリエーションが用意されている。
「IGSA」シリーズとしてのコンセプトカラーは、イグサの持つ暖かさを表現したオレンジと現代のシックでスタイリッシュなライフスタイルを意識したブラックだというが、どの色も同系色の濃淡色で編み上げられた微妙な深い色合いを持っており、飽きることのないインテリアとして好まれそうなアイテムに仕上がっている。特に、カラーについては、元の色に時間の経過と共にイグサ独特の風合いも加わっていけば、より味わい深さも増すのは確実だ。この「IGSA」シリーズについては既に海外の展示会でも高い評価を得ており、イグサに馴染みの無い海外の人々にもその独特の香りは自然のものとして受け入れられたという。ヨーロッパでの活動経験のある清水氏は、日本の伝統的な素材の一つであるイグサ商品が、海外では粗悪な海外イグサを用いた商品しか出回っていないことを残念に思っていたようで、ヨーロッパ市場に本物の良質な国産イグサ商品を出していく必要があると考えていたというが、今回の国産イグサを用いた「IGSA」シリーズの発表には、海外市場でも「やっと土俵に上がってきたか」という声も多いのだというから、これからは海外でも日本産イグサの良さが浸透していくことであろう。
正座する=椅子に座るということに見立てたこの商品は、当初のプロトタイプと比較すると、サイズの変更なども行われているそうだが、それによってより自由度の高い使い方が出来るようになったという。しっかり座ることも出来れば、ルーズに寄りかかったり不意に体の向きを変えたりということも、凹凸の少ない「IGSA」シリーズならではだろう。
当然、自由度の高い使い方が出来れば、気になるのは生地の傷み具合である。この「IGSA」シリーズはフレームに織った生地を張るというものなので、万が一使用中に生地をいためたらユーザーが生地のみを購入して自分で張り替えることができるようにもなっており、ユーザーが自分で簡単にメンテナンスできるのも魅力の一つ。これも、時間をかけて開発した結果だという。ちなみにこの生地、従来よりもデザインを生かし、細かい織り目で編み上げているそうで、株式会社添島勲商店で苦労した部分の一つなのだとか。生地には余計な素材を併せていないため、イグサの呼吸を妨げず、イグサ本来の性質を活かして使い続けることができるのも魅力だ。イグサの呼吸は、それだけでシックハウスなどの原因を軽減することも昨今では証明されつつあるという。だが、イグサの良さを活かした使い方をするためには、現在の高気密型住宅では換気が必要なので、この「IGSA」シリーズのみならずイグサ製品を取り入れる際には換気を十分にすることを心がけていただきたい。ちなみに、現在、国産イグサの産地も減少傾向にあるそうで、国内商品の8割が外国産イグサの商品になっているのだとか。国産イグサと外国産イグサの大きな違いは、その中身にある。本来、イグサの中というのは目の詰まったストローのような状態になっているそうだが、外国産はその目が粗いという。これは、成熟度より見た目を重視して刈り取ったり、気候の違いによるところが大きいのだとか。中の目が粗いということは、イグサが摩擦に弱かったり経年経過によって表面がはがれてきたりということに繋がり、商品の品質が継続しないことになりかねないと考えると、やはりしっかり品質管理をされた国内産イグサの商品を選びたいところだ。
さて、昨今のような不況となるとコスト削減の対象となるのがデザイン面というのはよく耳にするが、デザインを最優先課題だと考えているからこその株式会社添島勲商店の「IGSA」シリーズ。海外市場を見据えたアイテムだけあって、昨今の多様化する日本のライフスタイルにもスムーズに受け入れられるインテリアだ。今では、“おばあちゃんの家に行かないと畳なんて見ることも触ることも無い”“畳ってなんかかっこ悪い”“アレルギーだから畳よりフローリングでしょ”等など、色々な意見もあると思うが、やはり日本人が古くからなじんでいるイグサの香りは、部屋にほんのりと漂うだけでほっとして安らぎを感じる人も多いのではないだろうか。疲れてかえってきた体を「IGSA」シリーズに横たえイグサの香りに包まれてほっとリフレッシュ、家族団らんのひと時を「IGSA」シリーズのローテーブルでイグサのほんのりした香りに包まれて穏やかに、オフィスの応接室に「IGSA」シリーズを置いてリラックスして商談を、等など、従来とは全く異なる新たなイグサインテリア「IGSA」シリーズで、スタイリッシュに癒されるワンシーンを演出してみてはいかがだろう。
(編集部:北島要子)
【参照】
・株式会社添島勲商店
・清水慶太
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