@AUTOCAR

写真拡大 (全7枚)

最高出力が127psへ強化された+2S 130

ロータス・エラン +2の車重は946kgと軽く、二重曲面を採用したドアガラスは、電動で開閉できた。滑らかなボディが貢献し、空気抵抗係数のCd値は0.30と小さい。

【画像】4シーターなジャガーEタイプとロータス・エラン ベースの2シーター 最新エメヤとX900も 全151枚

1970年に、より上質な内装を備え、防音性を高めた+2Sへアップデート。1971年2月には、シルバーのルーフで差別化された、ビッグバルブ・エンジンの+2S 130が登場している。1972年からは、5速MTも選べるようになった。


ロータス エラン +2S 130/5(1967〜1974年/英国仕様)    ジョン・ブラッドショー(John Bradshaw)

130という数字は、大径の吸排気バルブとハイリフトカム、10.3:1の高圧縮比によって上昇した、最高出力の127psを切り上げたもの。技術者のトニー・ラッド氏による改良で、ドライブシャフトとファイナルドライブ・ケースも強化されている。

1974年末までに、エラン +2シリーズは5244台が提供された。ロータスとしては大きい台数だが、ジャガーEタイプ 2+2より遥かに少ないことは事実だ。

前席空間の拡張へ効果的な膨らんだボディ

今回ご登場願った、ライトブルーのEタイプ S1 4.2 2+2は、ジョン・ラブ氏が5年前に購入したもの。彼は身長が188cmある妻と、大型犬のために、広いボディを持つEタイプを以前から探していたらしい。

全長の半分はあろうかというボンネットを立ち上げると、4.2L直列6気筒の名機、XKエンジンが姿を表す。カムカバーは磨き上げられ、3連SUキャブレターが美しく輝き、アイドリング時からスムーズな響きを奏でる。


ジャガーEタイプ S1 4.2 2+2 (1966〜1971年/英国仕様)    ジョン・ブラッドショー(John Bradshaw)

幅の広いサイドシルを跨ぎ運転席へ座ると、膨らんだボディは前席空間の拡張へ効果的だとわかる。レザーシートは、サルーンのように快適。リアシートを倒せば、大きな犬も問題なく過ごせそうだ。

運転姿勢は、背もたれが起き気味でも自然。ウッドリムのステアリングホイールは大径だが、低速域から軽く、反応は素晴らしい。僅かなアンダーステアは、アクセルペダルの角度でリカバーできる。リムを握る手のひらへ、好ましいフィードバックが伝わる。

印象的な乗り心地と4000rpmから興奮の速度上昇

シフトレバーとクラッチペダルは、やや重め。ブレーキペダルは、優しく傾けるだけで充分に速度が落ちる。タイヤのサイドウォールが厚く、ストロークの長いサスペンションがしなやかに動き、乗り心地は印象的。傷んだ路面も、取るに足りない。

舗装の剥がれた穴を通過しても、タイヤとステアリングホイールが僅かに揺れる程度。路面へ、ボディがしなやかに追従する。


ジャガーEタイプ S1 4.2 2+2 (1966〜1971年/英国仕様)    ジョン・ブラッドショー(John Bradshaw)

ハイカムと大径バルブで強化されたEタイプ 2+2は、低域で逞しく、力強く加速する。4000rpmからノーズを持ち上げ、興奮を誘う速度上昇を引き出せる。4速の上に、もう1段ギアがあっても軽々と吹け上がるだろう。もちろん、4速のまま巡航も余裕だ。

とはいえ、エラン +2はそれ以上に爽快。ロータス・マニアには、ひと回り大きいこちらの方が、機敏な操縦性を堪能できると評価する人も多い。スタイリングは、Eタイプ 2+2より美しく筆者には映る。1960年代の英国製クーペでは、1番かもしれない。

カーブへ飛び込めば直観的な感覚に唸る

ブラックの1台は、オリ・ヒース氏の父が購入したという、5速MTのエラン +2S 130/5。地面へ触れそうなほど、運転席の座面は低い。サイドウインドウは高い位置にあり、ボディをまとったような一体感がある。

太いリアピラーが隠すため、斜め後方の死角は広い。小回りはEタイプ 2+2より確実に効き、小さなクラッチペダルは軽く踏める。明らかに、運転しやすいスポーツカーだ。


ロータス エラン +2S 130/5(1967〜1974年/英国仕様)    ジョン・ブラッドショー(John Bradshaw)

ウォールナット製のダッシュボードにはメーターが7枚並び、スイッチはずらりと15個ほど。Eタイプのオーナーを意識したデザインに思えるが、内装は基本的に人工皮革で仕立てられている。リアシートは僅かに広い。

カーブへ飛び込めば、以心伝心な感覚に唸る。グリップやステアリングの変化、ボディロールを伴わず、旋回Gが高まる。公道の速度域では、それらがないようにすら思える。

より少ないリソースで導いた優れた成果

前後ディスクのブレーキは漸進的に効き、しなやかなサスペンションと細いタイヤが生む乗り心地は、Eタイプ 2+2に迫るほど心地良い。積極的に回転数とギアを選べば、160km/h程度までの加速力も大きくは劣らない。

ウェーバー・キャブレター越しにエンジンは空気を意欲的に吸い、回転上昇とともに快音を響かせる。シフトレバーには僅かな引っ掛かりがあり、ゲートは狭いものの、慣れれば素早く変速できる。ギア比も好ましい。秘めた力を、最大限に開放できる。


ロータス エラン +2S 130/5(1967〜1974年/英国仕様)    ジョン・ブラッドショー(John Bradshaw)

近年は、エランやEタイプの入門モデルとして支持を集める、+2と2+2。2シーターのクーペより、安価に流通しているからだ。しかし希少性は高く、部品代や修理費が高くなりがちなことも事実ではある。

筆者が1台を選ぶなら、古いロータスの維持には相当な忍耐力が必要なことを加味しても、エラン +2にするだろう。流麗なフォルムと、妥協のない運転体験に加えて、少ないリソースで優れた成果を導いているから。より、英国車らしい独創性にある。

協力:ストラダーレ・アイコンズ社、サイモン・クロックフォード氏

4シーターなジャガーEタイプとロータス・エラン 2台のスペック

ジャガーEタイプ S1 4.2 2+2 (1966〜1971年/英国仕様)

英国価格:2245ポンド(新車時)/5万ポンド(約1050万円)以下(現在)
生産数:1万924台
全長:4684mm
全幅:1656mm
全高:1270mm
最高速度:223km/h
0-97km/h加速:7.4秒
燃費:6.4-7.8km/L
CO2排出量:−g/km
車両重量:1245kg
パワートレイン:直列6気筒4235cc 自然吸気 DOHC
使用燃料:ガソリン
最高出力:268ps/5400rpm
最大トルク:39.0kg-m/4000rpm
ギアボックス:4速マニュアル/後輪駆動

ロータス エラン +2S 130/5(1967〜1974年/英国仕様)

英国価格:2626ポンド(新車時)/2万5000ポンド(約525万円)以下(現在)
生産数:5244台(+2合計)
全長:4267mm
全幅:1600mm
全高:1164mm
最高速度:194km/h
0-97km/h加速:7.7秒
燃費:7.4-9.2km/L
CO2排出量:−g/km
車両重量:946kg
パワートレイン:直列4気筒1558cc 自然吸気 DOHC
使用燃料:ガソリン
最高出力:127ps/6500rpm
最大トルク:15.5kg-m/5500rpm
ギアボックス:5速マニュアル/後輪駆動


ジャガーEタイプ S1 4.2 2+2 (1966〜1971年/英国仕様)