平壌の瓊楼洞に建設された普通江川岸段々式住宅区を視察した金正恩氏(2022年4月3日付朝鮮中央通信)

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北朝鮮の地方にある炭鉱や農村で新たに建設され、金正恩総書記の「愛民政策」の成果として誇示されてきた住宅の一部が、入居から2年も経たないうちに空き家として放置されていることが分かった。住民が去った家は空き巣の標的となり、急速に荒廃が進んでいるという。

平安南道の消息筋は16日、韓国デイリーNKに対し、「价川市(ケチョン市)の炭鉱地域では、新しく建てられた住宅が空き家のまま残されるケースが増えている」とし、「人が住まなくなった家は、しばらくすると窓ガラスはもちろん、壁紙や防寒用のビニールまで剥がされてしまう」と伝えた。

消息筋によると、价川市の鳳泉炭鉱一帯では、除隊軍人や青年嘆願者(志願者)向けの住宅建設が進められた。結婚を控えた人やすでに家庭を持っている人々に新居を提供し、炭鉱への定着を促すことが目的だった。

しかし、こうして供給された住宅の一部は、入居から2年も経たないうちに空き家として放置されているという。消息筋によると、炭鉱地帯だけでなく、農村でも同様の事例が発生している。

北朝鮮当局は、炭鉱や農村の生産力向上と人手不足の解消を目的に、除隊軍人や青年嘆願者を継続的に配置している。その過程で新築住宅の供給は、彼らの定住を支援すると同時に、地方振興政策の成果を誇示する手段としても活用されてきた。

(参考記事:「手足が散乱」の修羅場で金正恩氏が驚きの行動…北朝鮮「マンション崩壊」事故

しかし現実には、炭鉱や農村で長期的に生活する意思を持たない人も少なくなく、住宅供給政策の効果は限定的だとの指摘が出ている。劣悪な労働環境、低い収入、生活基盤の不足などが重なり、新居を与えられても間もなく家を空け、別の地域へ移ってしまうケースが発生しているという。

消息筋は「もともと住むつもりのない人たちに新しい家を与えたところで、気持ちが変わるわけではない」とし、「家を受け取って数カ月も経たないうちに新たな稼ぎ口を求めて去る人は少なくなく、一度出ていけば戻ってこようとはしない」と語った。

そして、こうした住宅は例外なく泥棒の標的になるという。

消息筋は、「最初は泥棒が扉をこじ開けて入り、アルミ鍋や家具、生活用品など換金できるものを持ち去る。その後は扉が開いたままになるため、家の前を通る人々が必要なものを静かに一つずつ持っていくようになる」と説明した。

特に地元の学生たちは、学校から「回収ノルマ」として課される古紙やガラス片などを確保するため、こうした空き家から窓枠や壁紙、窓ガラスまで剥ぎ取っていくという。そのため、建設からわずか数年しか経っていない住宅が急速に廃屋と化している。