「本来ならW杯で戦っていたはずだ」ロンドを見つめる”南野拓実の笑顔”が語るもの【現地発コラム】
ロンドを見つめる南野拓実の姿だ。
昨年12月、左膝前十字靭帯を断裂。懸命なリハビリを続けてきたものの、ワールドカップのメンバー入りは叶わなかった。それでも南野は今、“メンター”という立場でチームに帯同している。
長友佑都、吉田麻也、堂安律らが声を掛け合いながらボールを回す。その光景を少し離れた場所から見つめる南野の表情は穏やかで、時折、笑顔ものぞかせていた。
だが、その笑顔がかえって胸に刺さった。
本来なら、あの輪の中心にいても何ら不思議ではない選手だ。いや、このワールドカップの舞台で、日本代表のために戦っていたはずの存在だろう。
それでも南野は下を向かない。自分が立てなかった場所へ向かう仲間たちを支え、その成功を願う姿に強い覚悟を感じた。
南野の存在は、森保ジャパンにとって単なる“メンター”以上の価値を持つはずだ。ピッチに立てなくても、その想いは確かにチームの中にある。
少なくとも、今回選ばれた26人は知っている。大怪我に泣き、夢を断たれながらも、自分たちを支え続けてくれる仲間がいることを。
だから彼らは、南野の前で恥ずかしい試合などできない。ナッシュビルの青空の下で見たその笑顔は、どんな言葉よりも雄弁だった。
取材・文●白鳥和洋(サッカーダイジェストTV編集長/現地特派)
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