3列7人乗り『グランカングー』は台数限定展開で毎回完売! 『ルノー・カングー』はなぜ日本で人気モデルになったか?
日本仕様は本国にないダブルバックドア
2002年に初代が日本導入されて以来、インポートMPVとして人気を持続し続ける『ルノー・カングー』。現行型は2020年に発表(日本仕様は2023年に発売)された3代目となる。
【画像】台数限定展開で毎回完売!3列7人乗りの人気モデル『ルノー・グランカングー』 全56枚
初代、2代目よりサイズアップし、デザインも一新されたが、観音開きのダブルバックドアをはじめ、使い勝手の高さは継承されている。

今年に特別仕様車としてデビューした、3列7人乗りの『ルノー・グランカングー』。 佐藤亮太
そして2026年、3列シート7人乗りの『グランカングー』が特別仕様車として日本デビューを果たす。しかも日本仕様は本国仕様にはないダブルバックドアも採用した。パワートレーンは、カングーでは1.3Lガソリンターボと1.5Lディーゼルターボが設定されているが、グランカングーは本国でも前者のみとなる。
シートは3列目までセパレートタイプ
カングーより全長は490mm、ホイールベースは390mm長いが、取り回しは悪くなく、視界の良さは変わらないので街中でも思ったより運転しやすい。車両重量も130kg重いからパワー不足は否めないか……と思いきや、街中での発進加速も不満はないし、思いのほか元気に走る。
感動的なのは長いホイールベースのおかげで直進安定性が高く、乗り心地が良いこと。ハイウエイクルージングは快適だ。

シートは3列目までセパレートタイプで、3列目もおとなが座るのに十分なスペース。 佐藤亮太
シートは3列目までセパレートタイプで、3列目もおとなが座るのに十分なスペースがある。2、3列目シートは、それぞれスライド、折りたたみ、跳ね上げ、取り外しが可能だから、シートアレンジは多彩。ただし、シート単体は結構重く、保管する場所を考えると日本では取り外しまではあまりしないだろう。
それでもラゲッジスペースは十分にあるし、カングーの魅力はそのままに、より人や荷物を積めることができるグランカングー。これは日本でも人気を集めることは間違いないなと再認識した。
1月に発表されたクルールは瞬時に完売
そんなグランカングー(およびカングー)の人気の秘密を、実際の販売データなどを基に探ってみたい。
日本では2002年に初代が発売されて以来、2025年末までに約3万5000台が販売されている(登録ベース、ルノー・ジャポン調べ、以下同じ)。現行型となった2023年から2026年5月まででは約3500台。2026年1月から5月では390台で、そのうちグランカングーが140台ほどだという。

2026年1月に発表されたクルール(写真)は、瞬時に完売したという。 佐藤亮太
グランカングーはダブルバックドアなどの関係で日本仕様をロットで発注する特別仕様車(もしくは限定車)として、今後も販売される予定だが、2026年1月に発表されたクルールは、瞬時に完売したという。
台数は公表されていないが、前述のように既に140台ほどデリバリーされており、今後も続くそうだから、200台近くになりそうだ。また、5月に第2弾の限定車(イエローとグリーン、各50台)が発表されたが、こちらも既に完売している。6月発売予定の第3弾(グレー、50台)も告知がスタートした。
約4台に1台が黄色
オーダーしてから納車までの期間は、カングーは在庫があれば2〜3週間。グランカングーは在庫がないので、発売月+3〜4ヵ月になるという。第2弾の限定車をオーダーした人は、夏休みに間に合うかは微妙なところだ。
カングーは限定車を含めて多色展開なのも特徴だ。そのため、発売時期や在庫状況によってボディカラーの人気は結構変わるらしい。直近の1年では、
1)ジョン アグリュム(黄色)
2)オランジュ(限定色のオレンジ)
3)グリ カシオペ(メタリックグレー)
となっている。

先日発売された『ジョン・ラ・ポスト』は、フランスの郵便局で使われていた鮮やかな黄色。 ルノー・ジャポン
やはり、カングーは初代から黄色のイメージが強くて今もなお人気が高く、この1年では約4台に1台が黄色だという。
自分だけのクルマを作りたい
なお、カングー、グランカングーとも基本的にメーカーオプションは設定されていない。その代わりというわけではないがディーラーオプションは豊富に設定されており、2025年の人気トップ3(および装着率)は、以下のようになっている。
1)リアセンターマット(黒):37%
2)サイドバイザーセット:29%
3)フロントグリルバッジ:23%

毎年開催される『カングージャンボリー』には、1000台以上も集結(写真は2025年)。 ルノー・ジャポン
カングーのオーナーは他車のオーナーより『自分だけのクルマを作りたい』という思いが強いようで、純正以外のパーツも使ってカスタマイズする人は少なくない。そうして『愛車=相棒』的に付き合う人が多いのも、カングー オーナーの特徴。
それゆえ、毎年開催される『カングージャンボリー』には、『自分だけ』のカングーが1000台以上も集まるというわけだ。
現行型カングー・オーナーの男女比率は、男性79:女性21。年齢層では、35〜44歳が29%、45〜54歳が31%、平均年齢では48.5歳だという。
カングーは2列5人乗りゆえ、ミニバンを求めるファミリー層よりは少し年齢の高い層がオーナーの中核になったと思われるが、グランカングーの登場で、この数値は少し変わっていくだろう。
再び活気を呈してきたLLクラスミニバン
購入時に重視されたポイントは、以下のとおり(重複回答あり)。
1)デザインが良い、オシャレ:85%
2)荷室が広い:55%
3)乗り心地が良い:54%

今月発売予定のグランカングー第3弾は、グレーを50台抽選販売する。 ルノー・ジャポン
日本のミニバンやMPVでは得られない、カングーならではのポイントが評価されているようだ。
振り返れば、シトロエン・ベルランゴやプジョー・リフターのロング、フィアット・ドブロ・マキシ、そしてフォルクスワーゲンのID.バズといったライバルが日本デビューを果たし、国産でも新型日産エルグランドの発売が近い。
これからLLクラスのミニバンマーケットは再び活気を呈してきそうだ。そんな中で、次のグランカングーは、どんな仕様で登場するのかが楽しみである。
ルノー・グランカングー・クルールのスペック
全長×全幅×全高:4910×1860×1810mm
ホイールベース:3100mm
車両重量:1690kg
エンジン:直列4気筒DOHCターボ
総排気量:1333cc
最高出力:960kW(131ps)/5000rpm
最大トルク:240Nm(24.5kg-m)/1600rpm
トランスミッション:7速DCT
駆動方式:横置きFF
燃料/タンク容量:プレミアム/54L
WLTCモード燃費:14.7km/L
タイヤサイズ:205/60R16
発表時の車両価格:459万円

ルノー・グランカングー・クルール(1月に発売された第1弾モデル) 佐藤亮太
