ナビットは5月26日、プロ野球についての調査結果を発表した。調査は2026年3月、20代〜80代の男女1,000人を対象にインターネットで行われた。

プロ野球についてのアンケート調査

○プロ野球の観客動員が「史上最多」を更新し続けるワケ

地上波のプロ野球中継は年々減少している。一方で、球場に足を運ぶ人は増加しており、2024年・2025年と2年連続で観客動員数が過去最多を更新している。2025年のセ・パ公式戦の入場者数は約2,704万人。1試合あたりの平均は約3万1,500人にのぼる。

その背景には、各球団による「ボールパーク化」の流れがあるという。かつてのプロ野球観戦は「野球を見に行く場所」だったが、今は「野球もやっているテーマパーク」とでもいうべき空間に進化している。2023年に開業した北海道日本ハムファイターズの本拠地「エスコンフィールドHOKKAIDO」は、温泉やホテル、レストランまで併設。試合を見なくても一日中楽しめるように設計されている。横浜DeNAベイスターズやソフトバンクホークスも球場のエンタメ化を推し進めており、試合そのもの以外の楽しみ方が増えたことで、カップルや家族連れのような、これまで野球に興味がなかった層も球場に足を運ぶようになっている。

地上波中継を見る人が減少する一方で、球場という「体験の場」に人が集まっていることから、プロ野球の楽しみ方そのものが変化しつつあるようだ。

そこで今回、全国の主婦を中心とした1,000人を対象に、「プロ野球」についての調査が実施された。

○プロ野球観戦経験者は7割以上

プロ野球を観戦したことがありますか?

プロ野球の観戦経験について尋ねたところ、「はい」と回答した人は72.9%、「いいえ」と回答した人は27.1%という結果になった。7割以上の人が何らかの形でプロ野球を観戦した経験があることが分かった。

○観戦はテレビが圧倒的に多い

どの媒体で観戦していますか?

観戦媒体について尋ねたところ、一番多かったのは「テレビ」で489人、「現地観戦」が181人、「ネット配信」が34人、「ラジオ」が7人という結果になった。「観戦しない」と回答した人は289人だった。

ネット配信の回答数については、DAZNやABEMAなどの配信サービスが普及している中で、比較的少ない結果となった。メインの視聴者層が比較的高めである可能性も考えられる。

○好きな球団は巨人がトップ、阪神が僅差で続く

最も好きな球団はどこですか?

好きな球団を尋ねたところ、最も多かったのは「読売ジャイアンツ」で106人、次に「阪神タイガース」が88人、3番目が「北海道日本ハムファイターズ」で42人という結果になった。

「特にない・観戦しない」は507人と過半数を占めた。また、「海外の球団」と回答した人は34人となっている。大谷選手の影響が大きいのかもしれない。

○好きな理由は「地元球団だから」が最多

上記で選んだ球団を好きな理由はなんですか?

球団を好きな理由について尋ねた。一番多かったのは「地元球団だから」で194人、次に「好きな選手がいるから」が105人という結果になった。「その他」は159人。地域密着型の球団運営が定着してきていることがこの結果からもうかがえる。

○テレビ中継の減少を惜しむ声が多数

「プロ野球に関して思い出や意見があれば教えてください」という質問をフリー回答形式で実施した。

「昔はゴールデンタイムに放送していましたが今は殆ど放送されなくなった事です」

「昔からヤクルトスワローズが好きです。昔はファンが少なく、球場もガラガラでした。選手とも話ができたし、写真も一緒に撮ることができ、いい時代でした。その頃の選手が今、監督になり感慨深いです」

「友人に誘われて始めてスタジアムで観戦したが、飲食が充実していてビックリした」

フリー回答では、「テレビ中継が減った」ことへの不満や寂しさの声が多く寄せられた。特に昭和世代からは「子どもの頃は父親がチャンネル権を握って毎晩プロ野球を見ていた」という回答が非常に多く見られた。また、「現地観戦の楽しさ」に関する回答も目立ち、球場の雰囲気や食事、応援の一体感についての声が寄せられた。プロ野球の楽しみ方が「テレビで見る」から「球場で体験する」へ確実にシフトしていることがフリー回答からも読み取れる。

○プロ野球はいつから「国民的スポーツ」になったのか

プロ野球はいつから「国民的スポーツ」になった?

日本のプロ野球が始まったのは1936年。しかし、本当の意味で「国民的」になったのは、テレビの普及と深く関わっているという。1953年にテレビ放送が開始され、1950年代後半から各局がこぞってプロ野球のナイター中継を放送するようになった。そして1965年から1973年にかけて、読売ジャイアンツが9年連続で日本一に輝いた「V9」の時代が到来。この時期、プロ野球中継は視聴率30%を超えることも珍しくなく、日本中の家庭のテレビがナイターに染まった。

王貞治、長嶋茂雄という2大スターの存在も大きく、「巨人・大鵬・卵焼き」という昭和の流行語が生まれたのもこの時代。プロ野球は、テレビというメディアとともに「国民的スポーツ」として成長してきた歴史がある。

ところが2000年代以降、娯楽の多様化やBS・CS放送への移行により、地上波の中継は激減。ゴールデンタイムの中継は今やほぼなくなった。

しかし、テレビでの中継が減少した一方で、球場はこれまで以上に賑わいを見せている。プロ野球は、テレビを通じて広がった「国民的スポーツ」から、「球場体験」という新しい形で次の時代に引き継がれようとしている。