14日、ハバナで、キューバ政権側との会合に臨むラトクリフCIA長官(左)=ロイター

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 【リオデジャネイロ=大月美佳】米国のトランプ政権がキューバへの圧力を強めている。

 14日には、米中央情報局(CIA)のジョン・ラトクリフ長官が首都ハバナを訪れ、「根本的な変革」を要求した。異例の訪問は、米国による石油輸送の封鎖で経済的窮地に陥る中で、体制転換の兆しがないことへの不満の表れとみられる。米国が軍事行動に踏み切る可能性も現実味を帯びつつある。

 米紙ニューヨーク・タイムズによると、ラトクリフ氏はトランプ政権の高官として、キューバを訪問した最高位となる。会談には、ラウル・カストロ元国家評議会議長(94)の孫ロドリゲス・カストロ氏や内務相らが出席し、ラトクリフ氏は中国とロシアの通信傍受施設の閉鎖と経済改革を迫ったという。

 米ブルームバーグ通信によると、米国は交渉の進展の遅さにいらだちを募らせている。ラトクリフ氏は会談で、ベネズエラのニコラス・マドゥロ大統領を拘束した今年1月の軍事作戦に触れ、「トランプ大統領の姿勢を真剣に受け止めるべきだ」と警告した。

 一方、キューバ政府は会談によって「キューバが安全保障上の脅威ではないことが示された」と強調。国内の外国基地や通信傍受施設の存在を否定した。

 キューバは4か月以上にわたる米国の石油輸送の封鎖により、深刻な燃料不足に陥っている。政府は燃料備蓄が枯渇したと発表。停電は1日20時間以上に及ぶなど、経済や市民生活への影響は甚大だ。

 米国は、キューバの体制転換を目指して締め付けを強化し続けている。7日には、米国は軍関係企業グループ「ガエサ(GAESA)」への制裁を発表。ガエサは観光や小売りなど経済の40%以上を掌握するとされ、カストロ一族との強い結びつきも指摘される。米国が1996年の米民間小型機撃墜事件を巡り、ラウル氏の訴追を計画していることも報じられている。

 トランプ氏は12日、「キューバは助けを求めている。我々は話し合う!」とSNSに投稿した。ただ、今月初旬には空母をキューバ沖に派遣すると述べ、軍事行動の可能性を排除していない。CNNによると、2月以降、キューバ沖で米軍の有人機やドローンによる監視・偵察飛行が少なくとも25回確認されている。

 ルビオ国務長官は13日、「今の権力者が居座る限り、キューバ経済の進路は変えられない。チャンスを与えるつもりだが、実現するとは思えない」と述べた。