日本郵政グループは15日、新中期経営計画を発表し、不動産事業を強化する方針を示した。

 分譲マンション事業、不動産投資顧問会社の設立などによる資産回転型事業を展開する方針だ。こうした事業強化を通じて、総合デベロッパーとして業界トップ10を目指すとしている。

 中期計画での経営目標について、日本郵政グループは、2028年度の自己資本利益率(ROE)を5〜7%超、当期純利益は5000〜7000億円超を目指すとしている。金利がある世界が実現してきたことを踏まえ、資金運用収益が増加することから銀行業は当期純利益を1兆円超、ROEで10%程度を見込んでいる。

 不動産事業を新たな収益の柱として育てる戦略は、集配拠点の再編と連動している。市街地再開発事業へ参画するために、日本橋局の集配機能を、蔵前JPテラスへ移転するといった再編事例を増やしていく。

 根岸一行社長は記者会見で、経営目標の実現について「効率化が大前提だが、郵便料金の改定が必要と考えている」と語り、改定の有無によって経営目標に幅が生じるとした。値上げ時期については、「国の制度的なものがあるが、来年度中にもできないかと考えている」とした。

 根岸社長は、「総合物流、総合金融、生活サポートの3つの機能を深化させたい。商品ラインナップを拡充し、チャネル間の顧客情報を連携し、きめ細やかなサービスを提供する」と述べた。

 一方、郵便・物流事業のユニバーサルサービスの実現について「持続的なユニバーサルサービスの継続が難しくなってきている」と危機感を示し、ユニバーサルサービスの持続性の確保と新たな事業領域での成長の両立が重要とした。

 具体的には、「郵便事業の構造改革、企業価値向上では金融事業、不動産事業を新たな成長事業としたい」と語った。

 金融事業の利益拡大では、若年層から高齢層まで幅広い年代に向けた商品を拡充していく方針だ。こうした金融サービスについて「従来からある郵便局のリアルの店舗だけでなく、アプリ、リモートチャンネルで専門的な知識を持つ社員との対話を深化させたい」とした。