ChatGPT

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2026年5月6日、中国メディアの騰訊科技は、米国企業のOpenAIが生成AIモデルChatGPTの無料ユーザーへ新型モデルを開放すると同時に、広告事業を本格化させる新たなビジネスモデルへ転換したと報じた。

記事は、OpenAIがChatGPTのデフォルトモデルを「GPT-5.5 Instant」へと更新し、ハルシネーション(AIの嘘)発生率の大幅な低下とともに、過去の対話やGmail、アップロード文書を参照できる「コンテキスト管理」機能を無料ユーザーを含む全アカウントに開放したと紹介。これによってChatGPTのデフォルトモデルが初めて長期記憶の最低限実用的な形態を備えることになったと伝えた。

また、OpenAIがセルフサービス型の広告管理ツールを米国の全広告主にベータ公開し、最低出稿額の制限撤廃やクリック課金(CPC)の導入、主要広告グループとの提携を通じて、GoogleやMetaに対抗する包括的な運用型広告のインフラを構築したことにも言及。同社が2026年に25億ドル(約3900億円)、30年に1000億ドル(約16兆円)の広告収入目標を掲げ、週間アクティブユーザー9億人の大半を占める無料ユーザー層を収益源とする姿勢を鮮明にしたと報じている。

記事は、新モデルの記憶機能を利用した広告サービスが、単発的な情報に頼る検索広告とは異なり、長期間の対話から得られる多角的な情報によってユーザーの潜在的な意図を捉え、高度にパーソナライズされた広告配信を行うための強力なエンジンとして機能すると分析。ユーザーとの頻繁な対話が精緻なプロファイルを生成して高い広告単価を支え、その収益がモデルの訓練に還元されることで、無料版が使いやすくなるほど広告収益が拡大する循環が完成すると説明した。

一方で、OpenAIが「広告と回答の分離」ポリシーを掲げているものの、実際は対話内容を内部利用する設計になっており、個人的な内容が広告に転用されることへの懸念が残ることを指摘。ユーザーがAIに健康やキャリアの悩みを相談するという「擬人的な関係性」において、提示される情報のどれが純粋な提案でどれが有料広告かを区別し続けることも難しくなる可能性を示唆した。

記事は、ユーザーが「無料使用の見返り」として生成AI企業に差し出すものが従来の興味・関心や時間から、AIとの親密な関係に基づいた「信頼」という深い層へと移行しており、この関係をビジネスに転換することがどこまで許容されるかが今後の焦点になると展望した。

そして、OpenAIが掲げる巨額の広告収入目標の達成は、AIの質だけでなく、ユーザーの反感や拒絶に直面せずに信頼関係を維持できるかという根本的な問いにかかっているとした。(編集・翻訳/川尻)