中山美穂さんの長男が20億円相続放棄で注目集める 芸能人“の節税”と個人事務所の実態
一昨年に亡くなった中山美穂さんの遺産を巡って、22歳の長男が相続放棄したと報じられたことで、相続税の問題が話題になっている。楽曲印税や著作権、不動産などを含めた美穂さんの遺産総額は約20億円ともいわれる。
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「相続税の最高税率は55%ですから、約11億円にもなる。そして、死亡を知った翌日から10カ月以内に原則、現金一括で納めなければならない。この金額と条件では、放棄せざるを得ないのでしょう」(ベテラン芸能記者=以下同)
4月9日の参議院財政金融委員会では、参政党の塩入清香議員がこの問題に関し、「相続税については所得税の二重課税ではないかとの指摘も根強くある」などと話し、世間の関心も高まっている。
では、美穂さんはどのくらい税金を納めていたのか。日本では2004年まで高額納税者公示制度(長者番付)があり、所得税1000万円以上を納めると公示されていた。
「美穂さんはデビュー3年目の1987年、納税額2157万円で初めて公示されました。以降、さらに納税額が上がりそうですが、90年は1945万円、91年は1382万円と活躍の割に少なくなっています。そして、92年から97年までは公示外でした」
90年には主演ドラマ「すてきな片想い」、主題歌「愛してるっていわない!」、91年には主演ドラマ「逢いたい時にあなたはいない…」、主題歌「遠い街のどこかで…」が大ヒット。92年には「世界中の誰よりきっと」をWANDS上杉昇との共作で作詞、94年には「ただ泣きたくなるの」を国分友里恵との共作で作詞し、ともにミリオンヒットを記録しているだけに、意外である。
「美穂さんに限らず、人気タレントは所属事務所とは別に、節税の目的で個人事務所を作ります。なぜなら、所属事務所から給料をもらうと、所得税の対象になりますが、個人事務所に振り込んでもらうと、法人税の対象になるからです」
今と比べ、昭和や平成の所得税率は高かった。87年は所得税率70%、法人税率42%。これほどの開きがあれば、売れっ子は当然、自ら法人を作るだろう。ただ、芸能人の節税目的の個人事務所には、実体のないケースが目立っていた。
「特にビジネスに関わっていない両親や妻を役員にして報酬を与える。また、自宅を個人事務所に設定して、住宅ローンを経費として落とす。これらが認められており、芸能人は税金の面で優遇されてきました」
96年から97年にかけて、税務署は是正に走った。
「それまでは『印税収入は法人の収入としていい』としてきました。その影響で、美穂さんは長者番付で公示外だったと思われます。しかし、急に『印税収入は個人の収入として申告しなければならない』と税務署が方針を変えた。そのため、小室哲哉さん、中山美穂さん、ZARDの坂井泉水さんが申告漏れを指摘されました。逆に言えば、これ以前は税金の面でかなりトクをしていました。多大な額を納税してきたことも間違いないですが……」
今回の件で、相続税の重すぎる負担がクローズアップされた。一方、確定申告で芸能人が優遇されてきた点は否めない。そのため、資産が莫大になってしまった背景も頭に入れておきたい。
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