[5.5 U17アジア杯GL第1節 日本 3-1 カタール ジェッダ]

 期待のストライカーが、まさに“ストライカーらしさ”を発揮する舞台となった。

 5日に開幕を迎えたAFC U17アジア杯。U-17カタール代表と対戦したU-17日本代表の1トップには、FW齋藤翔(横浜FCユース)が入った。気合い十分の表情にも見えたが、実際は独特の雰囲気の中で難しさも感じていた。

「緊張は、初めての公式戦、アジアの戦いだったんで、自分自身は気持ちが入る部分もあったし、慣れないところもあったりして、少し緊張していました」

 チームとしても重さを感じさせる中で相手に先行される厳しい展開となる。その中で齋藤は前半に2度のビッグチャンスを迎えたが、いずれもゴールならず。ストライカーとしては痛恨の場面が続いた。

「特に最初の(GKとの)1対1の場面で外してしまって、少し焦ってしまった。その後にチャンスボール来たときも、ちょっと焦って上にふかしてしまった」(齋藤)

 立て続けにフィニッシュを失敗したことについて、試合後には「そういうところで一回落ち着いて、冷静にゴールに流し込めないといけないし、まずは枠に落ち着いて入れられなきゃいけない」と反省の弁を繰り返したが、試合中に下を向くわけにはいかないこともわかっていた。

「自分自身、ずっとFWをやってきているので、こういう時は何回もあった。そういう時に自分は毎回引きずってしまうんですけど、今日は少しでも気持ちを切り替えて、『本当にチームのためにやらないといけない』という意識を持ってやれたので、その部分は本当に少しですけど、成長があったのかなと思います」(齋藤)

 引きずるのではなく、頭を切り替えることを意識したハーフタイム。齋藤は「『後半またチャンスがあるぞ』と自分に言い聞かせていた」という言葉通りの決定機が訪れたのは、開始早々の後半6分のことだった。

 MF北原槙(FC東京)が蹴ったFKをファーサイドで長身のDF元砂晏翔仁ウデンバ(鹿島)が頭で折り返す形はトレーニングからイメージしてきた形。折り返されたボールに、齋藤は点取り屋らしく鋭い反応を見せる。

「晏翔仁にボールが入っていった瞬間に『来るだろう』と思ったので、信じて飛び込んでいった。本当に『押し込もう』とだけ思って、気持ちで押し込みました」(齋藤)

 1点のビハインドを負ったことで漂っていた嫌な空気を吹き飛ばす値千金の同点ゴール。齋藤も自然と喜びを爆発させることとなった。

 もっとも、試合後の齋藤に満足感はほとんど感じられなかった。「決め切れていないのが本当に課題。チームに迷惑をかけてしまった」と振り返り、1点では「満足してはいけないと思うので、頑張ります」と次戦以降でのさらなる爆発を誓った。

 シュートを外しても折れることなく、泥臭くゴールを奪い切った姿は間違いなく“ストライカーらしさ”を感じさせるもの。反省しつつも、日本のストライカーは、さらなる結果を積み上げにいく。

(取材・文 川端暁彦)