クルーズ船で訪れた外国人観光客を案内する通訳スタッフ。緊急時の避難誘導も担う(21日、岩手県宮古市で)

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 「北海道・三陸沖後発地震注意情報」が発表される中、対象地域の観光地などでは、地元の地理に不案内な人でも、万一の際に安全に避難できるよう備えが進められている。

 外国人向けの対策もとられ、関係者は「来訪者が不安を感じないよう万全を期したい」としている。

 21日朝、岩手県宮古市の宮古港に入港したクルーズ船から外国人観光客が続々と降り立った。三陸沖を震源とする前日の地震で、市内では40センチの津波を観測し、船内でも注意が呼び掛けられたという。

 不安を抱えた乗客に寄り添ったのが市の通訳スタッフだ。災害時の誘導訓練も受け、津波警報が出れば「Tsunami is coming!(津波が来るぞ)」などと大声で叫んで先導する。この日も13人が出迎えた。

 スタッフの一人、木村かおりさん(66)は緊急避難場所までの経路を点検し、勾配がきつい場所があることも確認。「状況に応じて適切に誘導したい」と話し、案内にあたった。妻と旅行中の男性(64)は「通訳の方がいたので安心して観光できた」と語った。

 海沿いに立つ北海道函館市の観光名所「赤レンガ倉庫」は東日本大震災で1メートル超の津波被害に遭った。来場者の半数以上を外国人が占める日もあり、英語で避難経路を記したボードを常備する。市内の桜は満開を迎えたばかりだが、注意情報の影響もあり客足は低調だ。運営会社の加藤寛総務部長は「本格的な観光シーズンを前に出ばなをくじかれたが、しっかり備えたい」と気を引き締める。

 青森県八戸市で毎週日曜に約300店が並ぶ「館鼻(たてはな)岸壁朝市」は、地震発生後、初めての週末となる26日も開催予定だ。県内外から2万〜3万人が訪れ、東北随一の規模を誇る。運営する湊日曜朝市会は、地震発生時には場内放送で高台への避難を呼びかけ、渋滞を避けるため車での来場者にも徒歩での避難を促す方針だ。

 4〜5月は客足が最も増える時期で、慶長春樹理事長(74)は「遠方からの人も多い。万一に備えているので、心配せず楽しんでほしい」としている。