山形放送

写真拡大

旧日本軍兵士を父に持ち、戦争の傷跡と向き合う子どもたちを見つめるドキュメンタリー映画があります。このほど、山形市でも上映がスタートし、舞台あいさつでは監督や県内出身の遺族らが作品への思いを語りました。

山形市のフォーラム山形で、17日から公開されているのは、「父と家族とわたしのこと」。
太平洋戦争などの過酷な戦場体験によって心に深い傷を負った元兵士と、その子どもたちの苦しみに迫るドキュメンタリー作品です。帰還兵の多くが抱えた深刻なPTSD・心的外傷後ストレス障害の症状は家庭内暴力やアルコール依存などを引き起こし、家族との関係を破壊しました。

映画「雨がザーっと振り始めると怖い あいつが殺しに来る 台風で窓ガラスがガタガタとなると 兵隊の足音が聞こえる おびえて泣くんですよ 大の大人が」

19日、監督の島田陽磨さんが来県し、舞台あいさつが行われました。

島田陽磨監督「戦争は物理的な戦闘行為だけでは終わらずに 人間のメンタル 心への影響を考えると 決して終わることがない」

舞台あいさつには、映画でも紹介されている元兵士の子どもも登壇しました。鶴岡市出身で都内在住の黒井秋夫さんです。黒井さんは、「帰還兵による暴力の原因が戦争にあったことに気付いてない遺族が多く、実態は戦後長く埋もれてきた」と訴えました。

黒井秋夫さん「ただ暴力的で殴られっ放しだった父親としか思っていない人に 本当は違う父親がいたんじゃないかと 気付いてもらうきっかけに この映画がなれば」

映画は、子や孫の世代が、元兵士である父の戦争体験を辿りながら、その痛みと向き合っていく姿を静かに見つめます。

島田陽磨監督「虐待をしていた父親が なぜそういうことをしたのか 歴史的な文脈を捉え直すことで 自分の人生を取り戻していく 再生の物語を見ていただければ」

映画「父と家族とわたしのこと」は、山形市のフォーラム山形で23日まで上映されています。