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買って約1年後、立体駐車場に潰されて廃車!

17年前、年収300万円で支払総額640万円のフェラーリ348スパイダー(もちろん中古)を購入した、肉まん君こと酒井さん(当時26歳)。そんな彼も43歳になっていた。この17年間、いろいろなことがあっただろう。とりあえず、あの黄色い348スパイダーはどうなったのか。

【画像】月々1万円以下でフェラーリが買えた!『肉まん君』2台目の348 全11枚

酒井さん「あの348は、買って1年後くらいに、立体駐車場に潰されて廃車になりました」


前回ご紹介した肉まん君こと酒井さん(当時26歳)。今回はその後日談となる。    フォッケウルフ

オレ「ええーーーーーっ!」

酒井さん「最低地上高が低すぎてセンサーが反応しなかったとかで、メキメキメキッって」

オレ「そ、それは弁償してくれたの!?」

酒井さん「してくれました。駐車場の係の人、手が震えてました」

なんと、あの伝説の年収300万円のフェラーリ・オーナーは、わずか1年ほどの命だった!

酒井さん「でも僕としては、フェラーリを買った時点ですごく満たされていたので、実はそんなにショックじゃなかったんです」

そう言えば酒井さんは、あれだけ思い詰めて買ったフェラーリを、あまり乗っていないと語っていた。フェラーリは、買うだけでお腹一杯になれるクルマゆえである。

その後あっさり12気筒フェラーリに!

オレ「で、その後のカーライフは?」

酒井「直後に中古のBMW M3を買いましたけど、すぐ飽きちゃって、続けてブルーの(フェラーリ)550マラネロに乗り換えました」


17年前に酒井さんが購入したフェラーリ348スパイダー(もちろん中古)。当時の支払総額は640万円だった。    フォッケウルフ

なんとーーーーーっ! 年収300万円のフェラーリ・オーナーは、その後あっさり12気筒フェラーリに到達していた!

オレ「それはいくら?」

酒井さん「総額600万円でした。348スパイダーより安かったです」

ま、そうだろうなぁ。当時、550マラネロは超不人気。個人的にもまったく好きじゃない。純粋なる大乗フェラーリ教的には、邪道感満点のフェラーリである。

オレ「550マラネロに手を出してる時点で、世の中ナメてない?」

酒井さん「そうかもしれません(笑)」

一途だった青年は、夢のフェラーリを手に入れたことで世慣れし、余裕のクルマ転がしに走った、と言えなくもない。

その後結婚して第一子が誕生したため、550マラネロも売却。さらに1年半後、もう一度348のtsを購入するも、そっちは底値の総額300万円! リーマンショックに東日本大震災が追い打ちをかけ、もともと不人気だった348の相場は、奈落の底まで落ちていた。

フェラーリが月1万円以下で買えた!

酒井さん「月々の支払いは、確か9800円くらいでした」

オレ「げえっ! フェラーリが月1万円以下で買えたんだ!」


酒井さんは3台のフェラーリを乗り継いだ後、クルマ自体を卒業していた!    フォッケウルフ

酒井さん「その348も、1年くらいで手放しちゃいましたけど」

オレ「その後は?」

酒井さん「実は、それ以来クルマを持ってません。もう13年になります」

なんとーーーーーっ! 年収300万円のフェラーリ・オーナーは、3台のフェラーリを乗り継いだ後、クルマを卒業していたーーーーーーーーっ!!

オレ「クルマに飽きちゃったの?」

酒井さん「飽きたわけじゃないんですけど、なくてもよくなったと言いますか……」

そうなのか。

大乗フェラーリ教の教義は、「フェラーリを買えばシアワセになれる」。フェラーリに恋い焦がれた庶民は、無理してフェラーリを買えば、必ずシアワセになれた。なにしろこの世の頂点が手に入るのだ。その満足感たるや天を衝く。

しかも、あまり値段が下がらないので、手放してもほとんど損はない。ここ10年はむしろ値上がりしており、手放せば大抵儲かってしまう。世の中にうまい話はないと言うが、フェラーリは別だ。ありえないほどうまい話だったのである。

フェラーリを買ってシアワセになった?

酒井さんが最初に買った348スパイダーだって、そのままずっと持っていれば、下取り1000万円は確実に超えたはず。この世の頂点を手に入れつつ、儲かってしまったはずだ。庶民にとって、これ以上のシアワセがあるだろうか?

しかし彼はあまりにも短期間に売買を繰り返したため、そういった恩恵にも浴していない。まぁ私も平均2年ごとくらいにフェラーリを買い替えて来たので、儲かったことは一度もないけど。


フェラーリに恋い焦がれた庶民は、無理してフェラーリを買えば、必ずシアワセになれた!    フォッケウルフ

果たして酒井さんは、フェラーリを買ってシアワセになったのだろうか。

酒井さん「はい。だいぶシアワセにしていただきました」

オレ「そ、そう?」

酒井「なにしろ小学生時代からの夢でしたから。買ったことで若干燃え尽きましたけど(笑)、長くお付き合いできるフェラーリ・オーナーとも知り合えましたし、普通なら絶対に見られない世界を見せていただいたと思います」

彼の口調はあくまで軽かった。

酒井さん「僕、いずれ328が欲しいんですよ」

オレ「えっ、今、2000万円近くしちゃってるけど」

酒井さん「別に高いとは思いません。だってフェラーリは元々高いもんですから」

その通り! フェラーリは高くてアタリマエ! 高騰を嘆くなかれ! 嘆いたって安くなるわけじゃないんだから! しみじみ。

(つづく/隔週金曜日掲載、次回は5月1日金曜日公開予定です)