AirPods Max 2、少し出せば「Neo」が買えるけどぶっちゃけどう?
3月に発表され、今月発売となったAirPods Max 2。買うと決めていた人はすでに手元にあることでしょう。迷っている人は、きっとその価格がネックになっているのかと。
AirPods Max 2は高い、そりゃもうヘッドホンの中でも圧倒的に高いです。でも、ほかヘッドホンと比較してもアクティブノイズキャンセリング(ANC)はピカイチでした。

以下に、発売前から実機を試していた米Gizmodoのレビューをお届けします。
AirPods Max 2の日本販売価格は、8万9800円
5年…。初代の発売から5年を経てやっとAirPods Max 2がリリースされました。これだけ待たされたんですから、当然期待もかなりあがっています。5年待てばさぞかしいろいろアップデートされていると思いきや…実はそうでもないんです。
大型アプデを期待していた人は、商品画像見ただけでガッカリしたはず。見た目は初代と同じですね。見た目だけでなく機能もそのままの点が多く、価格も同じ(注)。AirPods Max 2を手にしただけでは「第2世代感」がまったくありません。が、実際に装着して音楽を流すとそれが一転しました。
注:アメリカでは、2020年リリースの初代が549ドル。AirPods Max 2も549ドルで価格据え置き。一方日本では、初代は6万1800円だったのに対し、AirPods Max 2は8万9800円で値上がり。
円安の影響ですが、価格据え置きのアメリカだとお買い得感が日本より圧倒的に高くなりますね。
最高峰のANC
初代AirPods Maxが高い評価を得たのは、その圧倒的なANCの性能。それがAirPods Max 2では、新チップH2と改良されたノイキャンアルゴリズムのおかげで、ANC性能が1.5倍になっています。現状、ぼくのANCヘッドホン王者であるBose QuietComfort Ultra Headphones(第2世代)と同等のノイキャン力。場合によってはBoseのちょい上をいくかもしれません。
ニューヨークの地下鉄でAirPods Max 2を使うとめちゃくちゃわかりやすい。圧倒的。ANCオンで音楽かければ、電車の音はほぼ聞こえません。キキキィィって大きな音がたってもほぼ聞こえません。すぐ隣で繰り広げられる会話の声も無音。降りる駅が気になってアナウンス聞き逃せないという人は、そもそも装着すらしちゃダメなレベルです。
オフィスでは、むしろノイキャン効きすぎなほど。同僚の声も、キーボードの音も、周りのどんな音もまったく聞こえず。自宅にいると、自分だけどこか別の星に来てしまった感覚になるほど静か。静かすぎて孤独まであります。
新たに搭載された適応型オーディオはANCと外部音取り込みモードのハイブリッド。最近では当たり前の機能なので、今やっと搭載されたってのは少々遅いですが、その使用感はやっぱり良い。地下鉄で試してみると、電車の動き=騒音レベルに応じてANCのレベルが自動調整されました。
また、お家では電車内ほどうるさくないのでANCが弱まり、自分のタイピング音がちょうどよく聞こえるくらい。パートナーが話しかけてきたときも、外音取り込みが起動してスムーズでした。
ANC、適応型オーディオときて、最後は外部音取り込みモード。これも褒めたい。外部音取り込みモードをオンにすると、ヘッドホンを装着したまま問題なく会話することができます。この自然さは初代AirPods Maxからの強みであり、2でもそれがしっかり生きていました。
549ドルの音(日本では約9万円の音…)
ANCがどれだけ素晴らしくても、オーディオクオリティが悪ければ意味ありません。しかしそれでいうと、AirPods Max 2アンチもアンチになれない音の良さ。間違いなくベスト・オブ・ベストにはいります。初代のときほどの驚きはないものの(期待値があがっているので)549ドルに十分値する音です。
レビューでは、とにかくいろいろなジャンルの曲をききました。
AirPods Maxのチューニングで個人的に評価しているのは、ベースや重低音をセンスよく扱っていること。メーカーによっては低音が過剰で人工感がでてしまう場合もありますが、それがAirPods Maxにはありません。
ANCではBose QuietComfort Ultra Headphones(第2世代)と同等ですが、オーディオそのもののクオリティは勝ちですね。AirPods Maxの方がサウンドステージに広がりがあり、Boseよりもダイナミックな印象を受けました。NothingのHeadphone (1)も音がよくて個人的にとても好きなのですが、やはりAppleの勝利。音の微妙なニュアンス表現がAirPods Maxは圧倒的に上手いです。
ただし、初代AirPods Maxの音が非常に良かったこともあり、第2世代になってオーディオクオリティがものすごく進化したかというとそうは感じませんでした。とはいえ、確かに音自体もはよくなっており5年という月日をしっかりかけた甲斐があったというもの。
空間オーディオではWeezerの『Buddy Holly』聴いたり、ゲームモードで『原神』をプレイしたりしましたが、音楽よりもゲーム向け。音楽を聴くだけなら、空間オーディオはかえって邪魔と感じる場合もありそう。ちなみに、初代AirPods MaxもUSB-C版も空間オーディオ対応なので、今回の新機能ではありません。個人的には、あってもなくてもいいと思う機能かな。機能が悪いというより、箱から出した時点でそもそも音がいいので、そこから多少あれこれしても感動するほどではないというね。
音で言うならば、ロスレスオーディオが楽しめる有線で繋ぐのがおすすめです。iPhone 17に繋いでSpotifyを聴くと、有線になったことをAirPods Max 2が認識しオーディオをワイヤレスから有線へ。これも、USB-C版AirPods Maxにもある機能なので、新しいものではないのですが。
ちなみに、AirPods Max 2では初代よりもワイヤレスによる遅延が低減されています。『原神』をiPhoneでプレイしましたが、有線や2.4GHzドングル使用と比較すると多少遅いものの、許容範囲内でした。ただし、ワイヤレスでAirPods Max 2使ってガチゲームしようとは思いませんけどね。
すべてにおいてトップ・オブ・トップのAirPods Max 2ですが、1つだけ気になるものがありました。それは通話品質。パートナーと通話したところ、会話の途中でつまりを感じたといいます。たぶんこれ、ANCが環境ノイズをカットした影響かなと思うのですが…。まぁ、相手にしたら聞き取りづらいところがあったということ。逆にANCはめちゃくちゃ仕事してて、通話の途中で鼻を噛んだことに相手は気づいていませんでした。通話品質は10点満点中8点とのこと。
音以外はそこまで進化を感じず
AirPods Max 2の機能は、AirPods Pro 3が心拍モニターを搭載したほどのインパクトはありません。ライブ翻訳機能が搭載されたものの、これAirPods Pro 3にもありますし、昨今のあるある機能です。
パートナーがスペイン語ネイティブなので、ライブ翻訳機能を試してみたところ、問題なし。喋るのと同じスピードとはいきませんが、自然に会話を続けられるほどはスピーディ。翻訳内容をパートナーに確認してもらいましたが、これも問題なし。ライブ翻訳は確実に使えるレベルにあります。少なくともスペイン語は。スペイン語圏なら、AirPods Max 2が旅の頼もしい相棒になりますね。ただし、Appleのスペイン語はスペインのスペイン語であり、メキシコのスペイン語とは若干ことなるので、ローカルな言い回しによる差はでるのかも。
ライブ翻訳以外の新機能に、会話感知があります。これもAirPods Proで前から採用されている機能。会話中は音楽の音量を自動で下げ、会話相手の声をあげてくれるというもの。Appleはこのバランスが本当に上手くて、とても自然です。会話後に音楽の音量が戻るのを待つことも、会話が邪魔されるのも感じさせないのは見事です。
ヘッドホンのDigital Crownを押すとiPhoneのカメラで撮影できる、頭の動きでSiriに反応できるなど、他にも2で盛り込まれたAirPods Maxとしての新機能あり。正直、なくて困る機能でも、これがあるから買うという機能でもないと思いますが、ないよりある方がいいかなくらい。
初代からデザインも重さも変わらず。アプデが入ってほしいバッテリーもANCありで20時間と変わらず。バッテリーテストでは、60%音量のANCありで1時間音楽を聞いたところ、バッテリーが100から94%に減っており、これはAppleのバッテリー持ち20時間とほぼ同等。ANCなしで1時間音楽を聞いたくらいでは2%ほどしか減りません。
ケースは相変わらずあれ。初代登場時にイケてないとさんざん言われていたものの、デザインの変更はなし。アイドリング時の省エネという役割があるので、ケース使わないってわけにもいかないですね。
重さが386グラム(iPhone 17を2個頭に乗せてる感じ)と、他社モデルと比べて少し重みがあるので、通常ヘッドホン使わない人にはあえておすすめはしません。1日とおして使うとそこそこ疲れます。
総評
期待したとおりANCは文句なし。初代でも評判の高かったところをさらに改善して進化させたのがAirPods Max 2。ただし5年前とはいえ、不具合なく初代を使っている人はあわてて買い替えする必要はないかな。文句をつけるとしたら、初代と見た目が変わらないことでしょうか。
そしてなにより高い。値段が高いのは初代からですが、やっぱり高い。しかし、この価格に見合う音は得られるか?と問われたら、答えはYES。あと少しだせばMacBook Neoが買えちゃういいお値段ではありますが、ANC目当てであれば間違いありません。
いいところ:音がいい、ANC素晴らしすぎる、適応型オーディオやライブ翻訳などの新機能、USB-Cの有線オーディオ
残念なところ:高すぎる、若干重い、初代と見た目は変わらず
飛行機内でのノイキャンも試してみました
ノイキャン1.5倍、あなどれない。「AirPods Max 2」と前モデルを機内で聴き比べてみた

