「その通り!」と参政・神谷宗幣代表が賛同して……みらい・安野貴博党首、国民・玉木雄一郎代表の野党3トップが“奇跡の団結”をした瞬間
衆議院の予算案審議で、2000年以降の最短時間(59時間)で強行採決に踏み切った高市政権。これにより、参議院での予算案審議はなおいっそう紛糾した。今後、巨大な力を持つ政権与党に、野党はいかに対抗していくのか。国民民主党の玉木雄一郎代表、参政党の神谷宗幣代表、チームみらいの安野貴博党首が語り合った(この座談会は、参議院の予算案審議の最中に実施されました)。
【画像】「ここまでまとまったのは珍しいですよ」(玉木)、「『奇跡の一致』と言ってもいいかもしれない(笑)」(神谷)と、座談会も大いに盛り上がった
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「新しい野党」の役割
神谷 圧倒的な数を勝ち取った高市政権による独善的な国会運営を阻むには、我々野党がまとまるしかありません。
玉木 ただし、今までのように野党が自民党の親米保守路線を批判するだけの時代は終わりました。自民党にも得意不得意がありますから、足りない部分を補って、国益を守る提案をするのが、「新しい野党」の役割になってくるでしょう。
神谷 同感です。もう批判をするだけの野党は生き残れません。ここ何年かで立憲民主党が議席を減らしたのを見れば明らかです。

左から玉木雄一郎氏、神谷宗幣氏、安野貴博氏。参議院の野党が今後の政治の行方を占う ©文藝春秋
玉木 衆院では圧倒的な議席差があり、野党がやれることが少ない状況ですから、与党が少数である参院が主戦場となります。ここで野党がまとまれば、交渉力を発揮できる。奇しくも衆院の予算案審議で与党が強権をふるったために、参院では野党勢力が結集できました。ここまでまとまったのは珍しいですよ。
神谷 「奇跡の一致」と言ってもいいかもしれない(笑)。参院の首相指名選挙では、高市首相は1回目の投票で過半数を確保できませんでした。自民党は今後さらに野党の切り崩しを試みるでしょう。対する野党は抜け駆けすることなく、党利党略を超えた戦略を持つべきです。
玉木 そのためにも、きちんとデータをとって政策の検証を行うことが重要です。高い支持率を後ろ盾にして強引に政策を推し進めると、どうしても効果の検証が疎(おろそ)かになります。「地域の活性化などは定性的なデータでは評価できない」と反論する人がいますが、効果の分からないものに税金を注ぎ込んではダメです。
安野 私自身、民間から政治の世界に入ってみたら、効果検証の疎かさに驚きました。何千億円もの予算が計上されているのに、効果検証されているものが非常に少ない。たとえば今回の予算案には、企業が設備投資をした際に税額控除などを受けられる設備投資促進税制が入っています。似たような税制措置を2014年から2017年にも実施していたので、その効果についてうちの議員が予算委員会や財政金融委員会で質問したのですが、ぶっちゃけよく分からないとの返答でした。
どんなエビデンスに基づいて政策を作り、その効果がどれほどあったのかを国会の場で検証するEBPM(Evidence-Based Policy Making)を野党が率先して行うことが、政権運営の規律に繋がります。
神谷 その通り! 検証しておかしいとなったら潔く立ち止まることが与党には求められます。そうでなければ自浄作用が働きません。
鍵は参院野党とマーケット
玉木 日本では「自浄作用が働かない」が、私の結論ですね。行政府に対する立法府のチェック機能が弱く、司法府たる裁判所も高度に政治性をもつ国家行為については司法判断を避ける「統治行為論」の立場を取って、口出しをしない。
だから今、高市政権の振る舞いに制限をかけられるのは、参院の野党とマーケットしかありません。
安野 マーケットへの対応についても、今後重要なのはEBPMです。民間企業はIRなどを通じて情報を広く開示していますが、それに比べると国が公開している財政支出データは粗いと言わざるを得ない。
きちんとエビデンスに基づいた政策立案を求めることは、政策検証という野党の役割としても、マーケットとの対話という意味でも、ポジティブな効果があるはずです。
玉木 今回の衆院選挙のように、与党が大勝して国会のパワーバランスが偏ったときこそ、「最後の砦」としての参院が重要であり、二院制の意味が問われる。
※約8600字の全文では、高市政権の予算案審議の進め方に、国民・参政・みらいの3党代表が疑問を呈しています。全文は、月刊文藝春秋のウェブメディア「文藝春秋PLUS」と「文藝春秋」2026年5月号に掲載されています(安野貴博×神谷宗幣×玉木雄一郎「高市首相は他人の気持ちがわからない」)。
(安野 貴博,神谷 宗幣,玉木 雄一郎/文藝春秋 2026年5月号)
