SBIホールディングスに対する市場の関心が高まっている。背景にあるのは、証券や銀行、保険にまたがる金融事業の広がりだけではない。2026年3月期第3四半期までの利益が大きく伸びたうえ、暗号資産事業でも再編を進めているためだ。

【こちらも】AIインフラ関連銘柄とは? MSの巨額投資で注目の企業3選

 利益成長と株主還元の両面から、SBIグループの動きが改めて注目されている。足元の好調な業績を踏まえると、第4四半期と通期決算の内容も重要な確認材料となりそうだ。

 その注目の背景にあるのが、足元の利益成長である。SBIホールディングスの2026年3月期第3四半期累計の税引前利益は4,333億円、純利益は3,491億円となった。収益も1兆4,896億円と高水準に達している。

 会社側は、金融サービス事業とアセットマネジメント事業の好調に加え、PE投資事業での複数銘柄の評価益計上などが利益を押し上げたと説明している。

 ただし、SBIホールディングスの注目点は一時的な利益成長だけではない。グループは証券、銀行、保険、資産運用に加え、暗号資産分野でも事業の集約を進めている。2026年4月1日には、SBI VC TradeがBITPoint Japanを吸収合併し、顧客基盤やサービス機能の集約が見込まれている。

 暗号資産を前面に出したテーマ株というより、SBIグループが成長分野を整理しながら、金融サービス全体の収益力を高めようとしている動きとみる方が自然だろう。

 加えて、株主還元も評価材料になりやすい。SBIホールディングスは2026年3月期の期末配当予想を1株75円に修正しており、中間配当40円と合わせた年間配当は1株115円となる見通しだ。配当は増配が続いていることもあり、還元姿勢は意識されやすい。

 自己株式取得も進めており、2025年12月2日から2026年1月30日までに1,068万8,300株、総額361億円余りを取得した。さらに、2026年3月末時点の株主を対象に株主優待も実施予定で、条件に応じて暗号資産XRPまたはグループ会社商品を選べる内容となっている。

 もっとも、今後は一時益を除いた後にどこまで利益成長を維持できるかが焦点となる。証券、銀行、暗号資産など多角的な事業基盤が、次の成長につながるかを見極める局面に入っている。

 SBIホールディングスが注目される理由は、単なる金融株物色ではなく、利益成長と株主還元が同時に進んでいる点にある。今後は、一時的な利益押し上げ要因の後でも成長を維持できるか、再編した事業がどこまで収益拡大につながるかが、株価評価の持続性を左右しそうだ。