那須川天心「結果以上に成長できた試合」 敗戦から進化…圧力に下がらず 浜田代表も勝因に挙げる
◇WBC世界バンタム級挑戦者決定戦 同級1位 フアンフランシスコ・エストラダ(メキシコ)<12回戦>同級2位・那須川天心(帝拳)(2026年4月11日 両国国技館)
プロボクシングWBC世界バンタム級2位の那須川天心(27=帝拳)が同級1位の元世界2階級制覇王者フアンフランシスコ・エストラダ(35=メキシコ)を9回TKOで破った。約4カ月半ぶりの再起戦で復活を遂げ、昨年11月に敗れたWBC同級王者・井上拓真(30=大橋)にリベンジするチャンスを得た。
公式戦初黒星から約4カ月半。連敗は許されない「崖っぷち」のリングで“神童”が覚悟を示した。世界3階級制覇を見据えるレジェンド相手に、世代交代をやってのけた。試合後の会見で那須川は「ホッとしてます。勝てて。どんな感じだったったけ、というのが自分の中であるので早く見返したい」と語った。そして「結果以上に成長できた試合。前の手を使って自分の距離をつくれて。前回の試合ではできなかった。成長できたかな」と語った。
4回終了時点での公開採点では、39―37で那須川、残り2人のジャッジが38―38とした。昨年11月の世界初挑戦で0―3の判定負けした井上拓真戦での3人とも38―38の採点と似通っていた。ただ、前回と異なったのは、よけて距離を取るのではなく、しっかりとパンチを出して相手の前進を止められたこと。8回終了後の採点は77―75、78―74、79―73でいずれも那須川となった。10回開始前にエストラダはコーナーを立ち上がることができず、そのままTKOとなった。
帝拳の浜田剛史代表は「本人もずいぶん追い詰められた状態で練習もしてきて、やったことが出たんじゃないかなと思います。前回の試合というのが、やっぱりセンスの良さでやっていて、よけるよけるでポイントは取れなかった。今回は、一言で言えば打ち合うと。これが出たんじゃないかと思います。打ち合う時にはもちろん(パンチを)食らう危険性はありますけど、それを承知の上で打ち合いにいけたということが勝因だったと思います」と語った。
昨年11月の世界初挑戦で井上拓に0―3判定負けし、格闘技55戦目で初黒星。敗戦を機に練習環境も見つめ直した。キックボクサー時代にボクシングの指導を受けていた、元帝拳ジムトレーナーで現GLOVESジム会長の葛西裕一氏とタッグを再結成。キック時代の動きや距離感を参考にしながら、同氏からは新必殺技「10センチの爆弾」を伝授された。課題としてきた接近戦克服へショートパンチを習得。スパーリングではあえて近い距離で足を止めて打ち合うなど、弱点と向き合ってきた。
那須川は「嫌なトラウマを思い出したが、前回の経験があったからこそ乗り越えられたと感じている、乗り越えはしましたけど、まだまだ。やってきたこと全部出てないしやるべきことあるし、試合中に成長できたし、あっという間の時間だった。まだ強くなれるとやりながら分かった」と語った。
