「道の駅すばしり」で運営トラブル。事実上の居座り営業。町と企業の言い分は?(静岡・小山町)
こちら小山町にある「道の駅すばしり」です。
10日も営業していますが、実はその運営会社、先月末で町との指定管理者契約が終了しています。
今月からは、新たな指定管理者による営業が始まる予定でしたがそれができない状況なのです。
一体この道の駅で何が起こっているのでしょうか?
全国に1200か所以上ある道の駅で富士山に一番近いのが小山町にある「道の駅すばしり」。
年間30万人以上が訪れる人気の施設です
「いまから足湯に入ろうかなと思っているんですけど、山中湖の方から来て御殿場方面に抜けようとしたので、ちょうど道の駅が真ん中にあっていいと思います」
(訪れた人コメント)
「ここの水が口に合っているというか、2~3週間に一回かな。
もう1年以上来ているんじゃないかな」
「道の駅すばしり」は小山町などが設置し、町内の企業である「観光開発」が先月31日までの5年間施設を管理・運営する指定管理者としての契約を町と結んでいました。
その一方で、去年実施された公募により今月1日からは新たに愛知県の「名鉄ミライート」が指定管理者に決まっていました。
それにも関わらず、公募に落ちた「観光開発」が契約期間満了後の今月1日以降も、施設を明け渡すことなく営業を続けているのです。
一体なぜ、このような事態になっているのでしょうか。
そこには、退去時に借りた時の状態に戻す“原状回復工事”を巡り小山町と観光開発との間に認識のズレが生じていることが分かりました。
小山町によると、協定に基づき観光開発は期間満了の3月31日までに原状回復工事を終え4月1日に施設を明け渡すとの認識を示していたといいます。
これに対し観光開発の代理人弁護士は、3月31日まで営業を行い4月1日から原状回復工事を実施し工事終了後に明け渡すとの認識で今年1月、この方針を小山町に報告したという事です。
その理由として観光開発はこれまで小山町の許可を得ておよそ5000万円もの設備投資を行い厨房設備の更新や内装の改修により、売り上げを2倍に増やすなど町に貢献してきたにもかかわらず去年、指定管理の選定に落選。
退去の為の原状回復工事を実施しようとしても工事を行う人員不足などの影響により工期が8か月から1年はかかると主張しています。
これに対して町は本来必要となる原状回復工事を行わずに、現状のまま期限までに施設を引き渡すよう求めたという事です。
この求めに観光開発は、契約の更新ができず、運営の継続が不可能になった事から改修工事の費用が回収出来ないため小山町、または次の指定管理者である名鉄ミライートのどちらかがその費用の一部を負担すれば退去する意向を示しましたが小山町はこの支払いを拒否しています。
一方、名鉄ミライートは、私たちの取材に対して、「コメントする立場にない」と話しています。
現在、「道の駅すばしり」は施設の明け渡しが確定するまでの間、小山町による暫定管理となっていますが、実際は、観光開発が「居座り」営業を続けている状態です。
これについて、観光開発の代理人弁護士は、「道の駅としての機能を維持し、地域経済や利用者への影響を最小限にする為、暫定的な措置として営業を継続します」と説明しています。
小山町によると「道の駅すばしり」は、施設管理者が売上の5%をおさめる契約で先月は150万円程あったとのことですが、今後の支払については協議されていないという事で、貴重な財源が確保できるか不透明な状況です。
今月28日には小山町長の定例会見が予定されていてそこでの発言が注目されています。
【スタジオ】
(’徳増ないるアナウンサー)
契約が終了しているにもかかわらず、居座り営業を続けている「道の駅すばしり」の問題ですが、
津川さんはどこが一番問題だとお感じですか?
(コメンテーター津川祥吾 元衆議院議員)
居座り営業というと、事業者が一方的に悪いようにも感じますが、
そちら側の説明を聞く限り、町の方にも少し問題があったのかなという感じもします。
どちらが悪いか置いておいても、やはり人気の観光施設ですからね。ここでトラブルというのは、観光施設として、
あるいは小山町自体の印象が悪くなるのが一番心配ですね。
(徳増ないるアナウンサー)
若狭さんは弁護士でいらっしゃいますけれども、
法律の面も含めてこの問題、どうご覧になりますか?
(コメンテーター若狭勝 弁護士)
結構典型的な法律問題だと思います。
こういう店とか家、明け渡しとかいう法律問題というのは、
相当数としてあるので、たまたま町ということが相手ですけれど、
その意味においては、やはり法律問題なのかなというふうに思いました。
(徳増ないるアナウンサー)
小山町側は、法的手続きも視野にというスタンスなんです。
実際には、この小山町としては、どんな手段が取れることになるんですか?
(コメンテーター若狭勝 弁護士)
これは、明け渡し請求というのを裁判として起こすと。
原状回復もしなさいという裁判をそこに起こすということが考えられます。
(徳増ないるアナウンサー)
では、なぜ契約終了後も営業をしているのか。
では、観光開発はこのように述べています。
「弁護士の見解に基づき、営業継続は妥当と判断している」
と説明をしているんですが、
若狭さん、契約が残っていないのに営業を続けるというのは、
妥当と言えるんでしょうか。
(コメンテーター若狭勝 弁護士)
これは結局、町と観光開発との間で、何らかの協定がなされていて、協定書という形の文書があると思うんです。
そこの中にどうのように書かれているのかということで
どっちが言い分が正しいかという話にはなると思うので、
一重に協定書の内容ということだと思います。
(徳増ないるアナウンサー)
そもそも観光開発は2期目の運営、つまり今年4月からも運営を続ける想定で、施設に投資をしていたんだと思うんですが、
津川さん、そもそも観光開発が公募に落ちてしまったというのは、
どんな理由が考えられますか?
(コメンテーター津川祥吾 元衆議院議員)
指定管理者ですから、こういった公募をやるということですとか、
あるいは、変わるということは当然あり得るんですよね。
さまざまな項目を評価をして、点数をつけて、
いいところに経営をしてもらうということがあります。
その点数についても、一応、町のホームページは公表していますので、町としては新しいところの方が、
より良い経営をしてくれるというふうに考えたんだということだと思いますが、
事業者さん側は、そこにもちょっと問題があるんじゃないかという話はされていますよね。
(徳増ないるアナウンサー)
自治体側は法的手続きも視野としつつ、
たくさんの人が訪れる人気の施設ですから、
地域への影響も考慮した難しい対応が迫られています。
若狭さん、この先の落としどころというのは、
現実的にはどうでしょう。
(コメンテーター若狭勝 弁護士)
これ、町が訴訟を起こしたとしても、
およそ2年前後ぐらいは判決まで至る、和解も含めてですね。
だとすると、費用と時間をかけてということになるので、
私としてはやはりこれは話し合いで何らかの解決をするというのが一番、町にとっても、観光開発にとってもいいというふうに思います。
(徳増ないるアナウンサー)
津川さん、でも私たちとしてはやっぱり施設を楽しみたいという思いがありますもんね。
(コメンテーター津川祥吾 元衆議院議員)
お客さんにもね、ぜひ楽しんでいってもらいたいですから、
早くトラブルを直してですね、なりを治して、素晴らしい営業をしてもらいたいなと思いますし、私たちも遊びに行きたいなと思いますよね。
(徳増ないるアナウンサー)
そうですよね。私も行ったことがあるんですが、
とても魅力的な施設なので、その魅力を継続してほしいなと思います。
いつも通り営業しているように見える一方で、
この裏側では自治体と指定管理者による思惑がぶつかっている状況です。
今後、他の地域でもその同様のトラブルが起きないためにも、
今回の問題への真相や今後の動きを見守っていきたいと思います。
