元照ノ富士の伊勢ケ浜親方 師匠は継続 委員待遇年寄から年寄へ2階級降格も厳罰なし
日本相撲協会は9日、東京都内で臨時理事会を開き、2月21日に弟子の幕内・伯乃富士(22)に暴力を振るった伊勢ケ浜親方(34=元横綱・照ノ富士)に対し、委員待遇年寄から年寄への2階級降格と報酬10%の減額3カ月の処分を決めた。部屋の師匠は交代せず、継続する。18年の暴力決別宣言後、協会は師匠による暴力には厳しく対処してきたが、自主申告と一過性だったことが勘案され厳罰は免れた。
臨時理事会では、2月24日から関係者への聴取を実施したコンプライアンス委員会(コンプラ委)の答申に基づき、伊勢ケ浜親方への処分が審議された。処分は2階級降格と減給で師匠の交代はなし。藤島広報部長(元大関・武双山)は「過去の事例とも照らし合わせて、ここが妥当じゃないかという意見があった。特に反対もなかった」と説明した。
事件が起きたのは2月21日。都内のラウンジでの会合の席で泥酔状態の伯乃富士が後援者の知人女性に破廉恥な行為に及び、何らかの仕置きが必要と感じた伊勢ケ浜親方が拳と平手で殴ったという。伊勢ケ浜親方は同24日に相撲協会に報告。その後の取材では暴行を認めて謝罪し、3月の春場所は会場内での業務を休んだ。コンプラ委は、同親方が取った行為は暴力禁止規定には違反するものの、座ったままでの殴打で態度、程度は悪質とは言いがたいと判断。また伯乃富士の不適切行為をたしなめる動機もあったとし、師匠交代などの厳罰なしという結論に至った。
処分を言い渡された伊勢ケ浜親方は東京都墨田区の伊勢ケ浜部屋で取材に応じ「暴力は理由が何であれ決して許されることではない。それを知っていながらこういう行動になってしまった自分を改めて考え直して、今後真摯(しんし)に頑張っていきたい」と謝罪。不適切行為が賞罰規定に抵触し、八角理事長(元横綱・北勝海)から厳重注意を受けた伯乃富士も「自分の行動、考え方を改めて相撲で結果で恩返しできるように頑張っていきます」と頭を下げた。
理事会は伊勢ケ浜親方に対し継続的に指導を行う必要があると判断。当面伊勢ケ浜部屋を一門の指導、監督下に置いて状況を確認することを決めた。師匠以下、4人の部屋付き親方が協力する指導体制を取るが、17年の日馬富士の暴力問題に次いで再び起きた不祥事に関取7人を抱える角界最強部屋は大きく揺らいでいる。

