6回、ピンチで中村奨を見逃し三振に仕留め、ほえる村上(撮影・北村雅宏)

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 「広島2−4阪神」(3日、マツダスタジアム)

 7回1失点で今季初勝利を挙げた阪神・村上頌樹投手には、元同僚から贈られた大切な言葉がある。

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 毎年1月、雄大な富士の峰に見守られ、村上は原点回帰する。元同僚のヤクルト・青柳が主宰する静岡県沼津市での自主トレに、今年も4年連続で参加。打ち上げ日、師匠から改めて言葉を送られた。

 「『自分を許してあげる』って言ってきたことと矛盾するかもしれないけど、満足しちゃいけない。立てた目標を超えていけるように」

 プロ3年目の23年に始まった同自主トレ。初年度から「自分を許してあげる」ことを説かれた。2軍暮らしが続いていた村上の、しがらみを取り払った言葉。「切羽詰まった時に自分で自分を苦しめたら余計にパフォーマンスが出ない。許容範囲を増やしてあげたので、『1軍の壁』を作らなくなった」。その年、飛躍の1年を迎えた右腕にとっての金言となった。

 プロ6年目を控え、伝えられた「矛盾する」言葉。それでも、理解することは難しくなかった。「悪い中でも、良いところがあれば許してあげる。逆に良い時は課題を見つけて突き詰める。満足せずに、やり切らないといけない」。完璧ではない自分を許し、妥協や慢心は許さない。相反する言葉が、一つの揺るがぬ信念となっている。(デイリースポーツ・間宮涼)