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 ◇セ・リーグ 阪神4―1DeNA(2026年3月31日 京セラD)

 本拠地開幕を快勝で飾った試合後、才木浩人と坂本誠志郎を京セラドームの駐車場で待った。2人の間に横たわる理想と現実。バッテリーそれぞれが発した言葉はとても興味深かった。

 初回に自己最速を更新する158キロをマークするなど6回1失点で今季初勝利。先発の役割を十分に果たした才木は、一方で111球を要した球数を反省点に挙げ、ちょっとしたスタイルチェンジの可能性を口にした。

 「もう少し変化球の精度とかも上がっていけば球数が増えるっていうことは多少、改善されるんじゃないかなと。(ゴロやフライで)前に打たせるっていうのも必要なのかなと。向こうもプロ。毎回、まっすぐで空振り取れるかっていうとそんな甘い話じゃない。フォーク、カーブなりをどう使っていくかが課題なのかなと」。ベストは自慢のまっすぐで押しに押しまくりアウトを量産していくこと。ただ、この日は直球がファウルされる場面も多く、球数は序盤からかさんでいった。先発完投も理想なだけに“球数問題”は避けては通れない。

 ただ、才木のちょうど40分後に駐車場に姿を見せた坂本の見解は違った。自身の初登板からくる力みもあり「今日は直球も変化球も制御できてなかった」とした上で「打者が前に飛ばそうと思っても飛ばせない球。(ファウルになって)相手に良い形でスイングさせない。そこが才木の魅力でもある。誰にもできることじゃないので」。「そのスキルも必要だけど」と変化球を交えて“打ち取る”投球をすることも選択肢に1つであることは否定しない。ただ、才木浩人というピッチャーの能力を知る女房役は「(ボールを)動かして凡打を狙う。今のピッチャーの特徴でもあるけど才木というピッチャーがそこに行っちゃうのは好きじゃない」と首を振る。

 坂本は続ける。「一概に今日だけの投球で答えは出ないかなと。対戦を重ねると打者の選ぶ球、バッテリーが選ぶ球も変わる。才木の開幕ゲームで気持ちも入る。スピード出しながら、制御はできないけど6回1失点までいくっていう。弾かれたのも筒香さん(6回右越えソロ)と度会(3回右前打)ぐらい。仕留めようと思っても前に飛ばない。高ぶる気持ちが力みになって、それも悪いことじゃないと思うので。それも才木らしさだと」

 18.44メートルの間で才木と坂本が向き合う理想と現実はどこで折り合いがつくのか。白星を重ねながら答えを見つける1年が始まった。(遠藤 礼)