タブレットの画面に映し出された「ARどうぶつえん」のライオンを見入る親子=2月27日、横須賀市神明町の市立総合医療センター

 病棟を歩くのはライオンやペンギン─。横須賀市立総合医療センター(同市神明町)の小児医療センターで今月から、拡張現実(AR)技術を使ったコンテンツ「ARどうぶつえん」が常設導入された。医療機関への常設導入は全国初。旭山動物園(北海道旭川市)監修のリアルな動物たちがスマートフォンの画面を通じて病院内にいるかのよう動き回る。不安な気持ちで入院や外来に訪れる子どもたちの不安感を和らげる狙いがある。

 同センターの宮本朋幸センター長らによると、入院生活を送る子どもたちは、家族や友だちと会えない孤独感や治療への恐怖などと向き合いながら過ごす。家族の負担の緩和も課題で、療養環境の整備は重要という。昨年3月に開所した同センターも絵本やおもちゃを用意したスペースの設置や、平日日中は子ども療養支援士や保育士が勤務して子どもの支援をしているが、不安を払拭することは難しいという。

 こうした課題の解決の一助として期待されるのが「ARどうぶつえん」だ。横須賀市に本社を置くIT企業「STARIUMU(スタリウム)」が約2年かけて開発し、スマートフォンやタブレット端末から専用アプリをダウンロードすると、画面内にはライオンやペンギンの映像が現れる仕組みになっている。