さらに主力のモスバーガーが510円で中価格帯、ダブルチーズベーコンテリヤキバーガーが750円で高価格帯と、明確なグラデーションをつけることで、幅広い顧客層にリーチすることができます。消費者からすると比較がしやすくなり、来店に結び付きやすくなっていると考えられるのです。

◆スマッシュヒットした「夜モス」と「ライスバーガー」

2022年に開始した15時位以降限定メニュー「夜モス」も見逃せません。現在は「トリプルモスバーガー」「トリプルモスチーズバーガー」などのボリューム感のある商品を中心にラインナップしています。

ハンバーガーショップはランチタイムが主戦場でしたが、インフレの進行で消費者の飲食店離れが進んでいるため、ディナー客の獲得が欠かせません。ディナーは高単価になりやすく、モスの方向性とも一致しています。

「夜モス」は当初、ご飯で具材を挟んだ「ライスバーガー」を増量し、満足感を楽しむメニューからスタートしました。これは通常のハンバーガーと明確な差別化を図るためでしょう。

「ライスバーガー」は現在、冷凍品として人気を集めています。ヒット商品となった「モスライスバーガー〈のり弁〉」は公式ショップの販売価格が6個入りで3540円。一つ590円です。コンビニのおにぎりの価格が高騰する中、モスは家庭の中に入り込むことに成功しています。これもターゲットの幅を広げた成功事例だと言えるでしょう。

<TEXT/不破聡>

【不破聡】
フリーライター。大企業から中小企業まで幅広く経営支援を行った経験を活かし、経済や金融に関連する記事を執筆中。得意領域は外食、ホテル、映画・ゲームなどエンターテインメント業界