とにかく注目度バツグン(Netflixの公式サイトより)

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社名を連呼するCM

 今月5日に開幕したワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で、侍ジャパンは6日に台湾、7日に韓国、8日にはオーストラリアに逆転勝ちし、3連勝で堂々のグループ1位で米国での準々決勝進出を決めた。

【写真を見る】「聖者の行進」に合わせ社名を連呼…注目を集めるハイセンスなCM

 侍ジャパンにくわえ、出場国の全試合は動画配信サービス・Netflix(ネトフリ)が独占配信中だが、地上波放送と変わらなかったのが配信中のCMだ。

「月額2290円(税込み)のプレミアプランに加入しているので、普段、映像作品などを視聴する際はCMが入りません。ところが、WBCの生配信は地上波のプロ野球中継同様、攻守交代やイニング間にスポンサー企業のCMが入ります。地上波と違うのは、画面の隅にCMの残り配信時間を表示。さらに、球場内の動きが気になる際には、CMを配信しつつ、ワイプで球場内の映像をカットイン。あれはネット配信にしかできない手法ですね」(スポーツ紙のプロ野球担当記者)

 今回、CMを出稿している企業の顔触れだが、侍ジャパンの中心選手・大谷翔平(31)が看板商品「お〜いお茶」のCMに出演している「伊藤園」、チームの移動を担う「日本航空(JAL)」、大谷が「パワプロ」シリーズのアンバサダーを務めているビデオゲーム制作会社「コナミ」、人材サービス会社「dip」ら、侍ジャパンの関連企業が並ぶ。そして、「トヨタ」、「ニッサン」ら自動車メーカー、「MUFG(三菱UFJ銀行)」、「SMBC(三井住友銀行)」ら、名だたる大手企業も。

とにかく注目度バツグン(Netflixの公式サイトより)

「オリンピックなら1業種1社が公式スポンサーと決まっていますが、そういう縛りはなかった模様です。チームも好調で、これだけ注目を集めていますから、出稿したかったと思う企業はかなりあったのでは」(同前)

 そんな中、なかなかインパクトのあるCMを出稿しているのが、水道管材や住宅設備機器を扱う専門商社「渡辺パイプ株式会社」(東京都千代田区)だ。CMに出演しているのは、人気お笑いコンビ・オードリーの若林正恭(47)と春日俊彰(47)。

 2人はスコットランドの伝統楽器の奏者・バグパイパーの衣装に身を包み、誰もが一度は聴いたことのある名曲「聖者の行進」の曲のリズムに合わせ、繰り返し社名が歌いあげられる中を行進。

 15秒の「ススメ」篇では、最後に春日がおなじみの「トゥース!」の決めポーズを披露すると、若林が「元気だな」とツッコミ。30秒の「ススメ」篇では、2度行進を繰り返し、最後は春日の「トゥース!」に若林が「静かにしろ」とツッコむコミカルなCMだ。

「社名を連呼されると、見ている人はどんな会社か気になって仕方ないはず。そして、企業名にかけるように、春日さんはスコットランドの伝統楽器・バグパイプを演奏しているような映像。なかなかハイセンスなCMです」(広告代理店関係者)

オードリーを起用

 同社の公式サイトによると、創業は1953年12月、社名を現在の渡辺パイプにしたのは57年4月。全国各地に営業拠点を持ち、従業員数はグループ会社も連結し6178人(25年4月現在)を抱える。また現在は所属選手が4人だが、陸上部もある。グループ全体の売上高は21年3月期が約3081億円。そこから右肩上がりで、25年3月期が前年比109.2%の約4456億円。

 そんな同社がオードリーをCMに起用したのは、それなりの理由があったようだ。

 マーケティング、コミュニケーション領域のニュースサイト「AdverTimes.」は3月2日、《渡辺パイプ、ANNで育んだリスナーとの絆で初のテレビCMへ オードリー起用と「春日駅」広告の狙い》と題した記事を掲載している。それによると、同社は2月27日から創業以来、初となるテレビCMの全国放送を開始し、3月2日からJR西日本・阪和線鳳駅(大阪・堺市)と都営大江戸線・春日駅(東京・文京区)での交通広告を展開。

 もともと、23年4月からニッポン放送「オールナイトニッポン(ANN)」の水曜と、オードリーがパーソナリティーをつとめる土曜の放送の番組提供を行い、オードリーを起用したラジオCMも放映してきたという。

 広報・社長室グループの野呂祐介氏によると、CMが好評で企業の知名度アップに手応えを感じたそうで、「より広い層へ、より明確に企業姿勢を伝えるフェーズに進むべき」と創業以来初のテレビCM放送を決断したという。

デイリー新潮編集部