(FC東京戦は)セットして、ボールを相手に持たせても良いというプランでもありましたが、一瞬の隙を突かれて、簡単に失点してしまったし、チームとして守るべき時間を共有しなくちゃいけないですし、隙を作ったらなおさら守備に対して意識がない分、一個ずつズレて大きな崩れができるチームなので、そこは今日の2失点でより明確になったと思います。

 日頃の練習から厳しさを求めないと、優勝を口にしているチームなので、そこには近づけないと思いますし、僕は去年、一昨年とJ1で厳しい環境、チームにいたので、そのベースを非常に大事にしていますが、こっちにきてそのベースを見失いつつあるので、自分自身が嫌われ者になってももう一度やらなくちゃいけないと思います。

 やらないと後悔しますし、チームの緩さは出てきてしまうと思いますし、それが自分が来た意味だと思うので僕がやっていってどんどん伝染していけば良いかなと感じます」

 また新守護神のスベンド・ブローダーセンも語った。

「みんな自分で反省しなくちゃいけない。私は分からない。他の選手のなかにどんな気持ちがあるのか。私は全力で100パーセントで戦っているつもりです。でも(チームとして)お互いの合わせる守備、つながり、それができていない。そこはステップアップしなくてはいけない。それは攻撃でも守備でも。2試合連続で危ないシーンも作れなかった。攻撃は後ろから始まる。守備は前から始まる。それを上手く合わせないといけない。

 もちろん戦う気持ちは練習のなかで作れる。だからこそ、それを練習でやれないと試合は難しくなる」

 まずトレーニングから質と強度を上げる必要があるということだろう。そのうえで、新たな川崎はどんなスタイルを目指すのか、指標が求められそうだ。

 谷口が口にした“悪者になってでも”という言葉は、かつて熱をチームに注入した山根視来が2023年に発していたことでも思い出される。その想いは、シーズン終盤に天皇杯制覇につながったが、何よりも大切なのは谷口のような選手が浮かないチームになることである。

 選手が変われば、監督が変われば、戦い方も、チームの雰囲気も変わるのは当然だ。だが、“史上最強”とも称されることの多い2020年、2021年頃の川崎は、勝った試合の後でも、直後に選手らが意見をぶつけ合い、高みを目指し続けた姿が印象的であった。

 今のチームには今のチームの良さがあり、やり方がある。静かに闘志を燃やす選手が多いことも理解できる。優秀なタレントたちが海外挑戦を決め、チーム作りが難しい局面に来ているのも重々承知している。

 それでも、上を目指し、優勝への覚悟を示す選手がより増えることで、チームはさらに前へ進んでいくはずだ。

 今は改めてこの百年構想リーグで何を目指し、どんなサッカーをしたいのか全員で共有し、表現する必要がある。それは監督、選手だけでなく、クラブ全体で考える問題である。

 厳しい言い方をすれば、千葉戦やFC東京戦のパフォーマンスからは何も伝わってこなかった。それは私だけの想いだろうか。それでもポテンシャルの高い選手は揃う。ここからの奮起に是非とも期待したい。

取材・文●本田健介(サッカーダイジェスト編集部)

【画像】小野伸二や中村憲剛らレジェンドたちが選定した「J歴代ベスト11」を一挙公開!