「最終回の内容はまだ決まっていないけれど、確実に言えるのは…」「意識して子どもでも楽しめるドラマにしています」『豊臣兄弟!』制作統括インタビュー
<天下一の補佐役>豊臣秀長の視点から、戦国の世をダイナミックに描く大河ドラマ『豊臣兄弟!』(NHK総合 日曜午後8時ほか)。夢と希望を胸に駆け上がる兄弟の下克上サクセスストーリーが注目を集めるなか、物語のテーマを“ど真ん中”で体現しそうな第六回『兄弟の絆』がまもなく放送に。そこで放送を前に、本作をより深く味わうための手がかりとして、「豊臣兄弟!」制作統括を務める松川博敬チーフプロデューサーに伺いました。
信長の子として四国攻めの総大将を務めるも、後に秀吉と対立。秀吉に対する激しい恨みから、切腹後に臓物を取り出して投げつけたとも…演じるのは?
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話題の“アレンジ”について
今回のドラマでは、史実に基づきつつも、大胆なアレンジを行ってきていて。
それがおかげさまで視聴者の方たちから好評をいただいているように感じています。
ただ、その流れもしばらくは続くかもしれませんが、毎回ということにはならないと思います。
というのも、秀吉・秀長の前半生については本当に史料が残っていなかったのに対して、後半生にはそれがしっかり残っているから。
皆さんが“秀吉伝説”として認識されていることの多くは、江戸後期に描かれた『絵本太閤記』などに記された“創作された秀吉像”が前提となっています。
たとえば草履を懐で温めていたエピソードなどは典型ですよね。あとあと作られたもので、決して史実ではない。
今回のドラマでは、そうした、よく知られているけれども、創作されたお話をアレンジしています。たとえば草履を秀吉(藤吉郎/池松壮亮)は「温めようとしていた」のではなく「盗もうとしていた」に変えました。
前半は存分にアレンジを
「豊臣兄弟!」における草履のエピソードは、脚本家の八津弘幸さんが思いついたものですが、もともとのお話が江戸時代の創作です。

(『豊臣兄弟!』/(c)NHK)
ですので、こうした話に手を加えることに対しては、時代考証の先生たちから特に異論をいただくこともない。
なので、創作話の多い前半は、それこそ八津さんに存分に想像の羽を広げていただくように考えています。
ただし資料が残る後半になるにしたがい、どうしても史実をなぞらなければならないところが徐々に増えていきます。
そこではアレンジの多かった前半と、また違った描き方をお願いすることになると思いますね。
最終回について
最終回がどうなるか、もちろんまだ何も決まっていませんが、最低限言えることとして、<主人公が全く登場しない最終回はありえない>と考えています。
ですので、おそらく最終回のどこかで秀長(小一郎/仲野太賀)はこの世を去ることになる。

(『豊臣兄弟!』/(c)NHK)
一方で、秀吉がどの時点で天下を取ったか、ということについても様々な解釈が存在しています。
もし天正18年(1590年)に起きた小田原征伐をその仕上げとするのであれば、1591年にこの世を去った秀長はそれを見届けて死んだことになる。
その時、秀吉はすでに暴走の兆しを見せていたのか…。
そのあたりは楽しみにしておいていただければ、と思います。
親と子の話のタネになってくれたら
僕が人生で最初に秀吉の伝記を手にしたのは、小学校1、2年生の時だったと記憶しています。当時、親から買い与えられたポプラ社の『豊臣秀吉』を夢中で読んでいました。
なぜそんなに熱中していたのかといえば、あの戦国時代において、決して武勇がずば抜けていたわけでない秀吉が大活躍をする話だったから。
自分もそれほど体が大きいほうでもないし、喧嘩が強いわけでもない。
なので「知恵で天下を取った」という物語がとても痛快だったし、自分だって天下を取れるじゃないか、と思わせてくれた。勇気をもらえた、というのが原体験としてありました。

(『豊臣兄弟!』/(c)NHK)
今回の『豊臣兄弟!』を通じて、同じような気持ちを今の子どもたちにも体験して欲しい。
それは最初から意識していて、家族で、そして子どもでも楽しめるドラマにしているつもりです。一緒にドラマを見て、親子の話のタネになってもらえたらいいなと。
実際「毎週家族で夢中になって見ています」とか「小学校6年生の息子が楽しみにしているんです」というような声を聞いていて。
制作陣として、とてもうれしく感じています。
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大河ドラマ第65作「豊臣兄弟!」で描くのは、戦国時代のど真ん中。強い絆で天下統一という偉業を成し遂げた豊臣兄弟の奇跡──夢と希望の下剋上サクセスストーリー!!
主人公は天下人の弟・豊臣秀長。
歴史にif(もしも)はないものの、『秀長が長生きしていれば豊臣家の天下は安泰だった』とまでいわしめた天下一の補佐役・秀長の目線で戦国時代をダイナミックに描く波乱万丈のエンターテインメント!
秀長を仲野太賀、秀吉を池松壮亮が演じ、脚本は八津弘幸、語りは安藤サクラが担当する。
