【テレビ界の世代交代】地上波で進む「ベテランの退社」と「若手の台頭」
フリーで活動するテレビマンが増えている
『酒のツマミになる話』や『呼び出し先生タナカ』などで知られるディレクターの日置祐貴氏(45)が、1月末でフジテレビを退社することになった。
「さまざまなテレビ局や配信・イベントなど、より広い領域で『面白いこと』に挑戦したい、と自身のSNSで退社理由を明かしています。彼の場合は一連のフジテレビ問題や『酒のツマミ』が理不尽な形でお蔵入りしたトラブルも関係していそうですが、年齢も関係していると思われます。45歳となると管理職に移行する時期。″現場にこだわりたい″テレビマンには、受け皿となる配信メディアの定着とギャラの高さは魅力でしょう。実際、フリーになったり、転職したりする人が増えています」(キー局プロデューサー)
テレビ東京で『ゴッドタン』などの人気番組を担当している佐久間宣行氏(50)はテレ東退社後もフリープロデューサーとしてバラエティを手掛けるほか、YouTubeにも進出。″演者″としてもメディアに引っ張りダコとなっている。
「動画配信サービスもバラエティに力を入れ始めているので、実績のあるテレビマンであれば局時代よりも稼げるようになりましたね」(制作会社ディレクター)
昨秋スタートした『ダウンタウンプラス』が成功を収めるなど、バラエティのサブスクサービスも増えている。ただ、ドラマのように社会現象になるコンテンツはまだ現れていない。
「コンプライアンスがうるさい地上波と違って、好き放題できるのがスポンサーのいないサブスク番組の強みですが、バラエティだとこの強みがハードルを上げてしまっている。下ネタなどの過激路線か、豪華キャスティングに走るコンテンツばかりで人を選ぶ内容になっている印象です。マネタイズできていても『ダウンタウンプラス』は一部で″配信なのに内容は地上波と変わらない″と言われていますからね。このままだと、会員数は伸び悩むかもしれません」(放送作家)
ここに来て、地上波にこだわるテレビマンも現れ始めているという。
「『水曜日のダウンタウン』を手掛けるTBSの辣腕プロデューサー・藤井健太郎氏(45)はDMM TVなどの配信番組で攻めたコンテンツを多数手掛けているのですが、そこまで話題になっていない。『ダウンタウンプラス』も会員数が50万人を超えているものの、視聴率でいえば1%にも満たない。地上波やYouTubeの番組のほうが世間に対する影響力が大きいんです。″厳しいコンプラ制限の枠内で、どれだけ攻めた番組が作れるか?″がテーマになりつつあります」(前出・制作会社ディレクター)
若手にとっては、自分の番組を持てるチャンスが増えそうだ。
「売れっ子テレビマンが続々と退社する流れを受けて、各局が若手の育成に力を入れています。見逃し配信の定着によってこれまでの″最大公約数″的な番組だけではなく、マニアックな視聴者を対象とした企画も通りやすくなっている。『水曜日のダウンタウン』の『名探偵津田』のような再生回数が多い企画に関しては、予算を惜しまないケースもある。若手テレビマンのチャンスは格段に増えましたよ」(前出・放送作家)
″コンプラの壁″を越えるハイレベルなバラエティ番組の誕生を待ちたい。
●2026年2月13日号より
