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大掃除の時期に、ぜひ意識しておきたい対策のひとつが、目には見えないものの、冬でも油断できない「家の中のダニ」の問題です。

【画像閲覧注意】古い畳や布団にいるのはこんなダニ?コナダニ、チリダニ、チャタテムシ…

目や鼻がかゆい。むずむず…。それは、ダニの仕業かもしれません。

害虫駆除のプロフェッショナル、東洋産業の大野竜徳さんに聞きました。

──ダニは冬でも油断できないのですね?

(東洋産業 大野竜徳さん)
「寒い季節でも、私たちが気づかないうちに、おうちの中で被害メーターが静かに上がっていることがあります。

寒くなると、虫の気配が一気に減ったように感じますね。『ダニも冬はいないだろう』と思われる方も多いかもしれません。

しかし、害虫対策の現場から見ると、冬だからこそ目立ってくる、あるいは表面化するダニ被害に数多く遭遇します」

なぜ冬でも油断禁物?

(東洋産業 大野竜徳さん)
「確かに屋外に生息するダニや昆虫は、寒さによって活動が鈍ります。ところが、湿気があり、エサがあり、暖房が効いた室内環境があれば冬でもダニは活動しています。

人が快適に過ごせる室内は、実はダニにとっても非常に居心地がよく、さらに冬は在宅時間が長くなることで、被害に気づきやすくなる季節でもあります。冬でも注意したい家の中のダニは、大きく分けて3つのグループがあります。

これに加えて、ダニと間違われやすい昆虫が1種類、そしてそれらを餌にする『天敵のダニ』が1グループ存在します」

──どんなグループですか?

(東洋産業 大野竜徳さん)
「家庭内で最も一般的にみられ、問題となるのが、ヒョウヒダニ類です。ヒョウヒダニは人の皮脂やフケ、アカなどをエサにして生活しています。

布団やマットレス、カーペット、ラグ、ソファなど、繊維製品の奥深くに潜み、私たちの生活と密接に結びついています。

ヒョウヒダニは吸血はしませんが、死骸や破片、糞が強力なアレルゲンとなり、アレルギー性鼻炎、喘息、皮膚炎などの原因になります。

冬は布団を干す機会が減りやすく、結果としてこれらのアレルゲンが室内に蓄積しやすい点に注意が必要です」

(【画像①】こんなところにダニはいる!)

むずむず 目や鼻がかゆい それ、ダニかも?

──冬はアレルゲンが蓄積しやすいのですね…。

(東洋産業 大野竜徳さん)
「なんだかむずむずする、目や鼻がかゆい、乾燥肌のような症状が続く。

こうした不調の背景に、『ヒョウヒダニ』由来のアレルゲンが関与しているケースも少なくありません」

「見逃せないのが、乾燥食品に発生する『コナダニ類』です。小麦粉、米、乾物、ペットフードなどに発生し、食品害虫として知られています。

ダニといえば夏のイメージが強いですが、冬でも加湿器の使用や室内干しが続くと、キッチンや食品庫で発生することがあります。

特に、開封後に密閉せず保管されている粉類は要注意です。このコナダニが発生した食品を摂取すると、アレルギー症状を引き起こすことがあり、ホットケーキミックスやお好み焼き粉、たこ焼き粉などでの事例が複数報告されています。

これらは『パンケーキシンドローム』として知られています」

(【画像②】はケナガコナダニ 勇気のある方はご覧ください)

古い住宅の畳には…

(東洋産業 大野竜徳さん)
「古い住宅の畳【画像③】などの湿気やカビが原因で見つかることがあるのが、イエササラダニです。

ササラダニの仲間は本来は土壌や枯れ葉の堆積した場所に生息し、カビや有機物をエサにしています。

しかし、おうちの中でも環境が整えば床下や浴室周辺、結露が起きやすい場所から室内に入り込み、気づかぬうちに発生していることがあります」

「近年はダニが発生しにくいスタイロ畳も増えていますが、わら畳を使用している住宅では注意が必要です。

このダニもアレルゲンとなるため、住環境の湿気やカビの存在を示すサインとして見逃せません」

ダニに似たチャタテムシがいたら、エサとなるカビも発生しているはず

(東洋産業 大野竜徳さん)
「ダニとよく間違われる存在として、チャタテムシがあり、ダニではないが要注意の昆虫です。みなさまからのご相談では、ダニと並んで非常に多く寄せられます」
(【画像④】はコナチャタテ こちらも勇気のある方はどうぞ)

「チャタテムシはダニではなく昆虫ですが、体長が1mm以上あるため目につきやすく、壁や棚、本、新聞紙の上を歩く姿がダニと誤解されがちです。

カビを主なエサとしており、結露が出やすい窓周りや、換気不足の押し入れ、本棚などで増殖します。チャタテムシもハウスダストの一因となり得ます。

重要なのは、チャタテムシが発生している環境では、目に見えないレベルでカビが繁殖している可能性が高いという点です」

──ということは、チャタテムシがいるとカビ対策もしなければいけないんですね。

(東洋産業 大野竜徳さん)
「さらに、これらのダニやチャタテムシを捕食するツメダニというダニも存在します。体長は1mm未満で非常に小さく、ダニが多い環境では一緒に発生することがあります」
(【画像⑤】はツメダニです)

「ツメダニは他のダニをエサにする天敵ですが、偶発的に人を刺すことがあり、強い痛みやかゆみを伴うことがあります。

『家の中でダニに刺された』というご相談の原因が、実はツメダニであるケースも少なくありません。

ツメダニがいるということは、餌となるダニやチャタテムシが多い環境であることを示していますので、早めの対策が重要です」

ダニそのものより「死骸やフンに注意」

──ダニ被害にあわないために、初期に気づくにはどうしたらいいのでしょう。

(東洋産業 大野竜徳さん)
「冬のおうちの中でのダニ被害は、やはり多くの方が気づきにくいものです。それには、はっきりとした理由があります。

冬のダニ被害が厄介なのは、ダニそのものが非常に小さく目に見えないうえ、ほかの虫もあまり見かけなくなるため、『虫がいない=問題がない』と油断しやすい点にあります。

ヒョウヒダニの場合、問題となるのは生きているダニそのものではありません。問題は空気中に舞い上がる『死骸や破片、フン』といったアレルゲンです。

知らず知らずのうちに十分なダニ対策ができていないと、少しずつ被害メーターがたまり、掃除や寝返り、布団の上げ下ろしのたびに微細な粒子が舞い上がり、それを無意識のうちに吸い込んでしまいます」

ダニに注意が必要な場所・対策は、【後編】にまとめています。