今年もブラックフライデー(BF)がやってくる。無駄買いに注意しながらも、欲しかったアイテムをお得に入手するコツは何だろうか。節約アドバイザーの丸山晴美氏は「セール前の“入念な準備”と“先行セールの活用”がポイントだ」という――。(取材、構成=ライター・宮原智子)

■BF=その年の底値で買えるチャンス

今年も残すところ2カ月を切りました。年末年始はさまざまなセールが行われるとあって、買い物を楽しみにしている人も多いのではないでしょうか。なかでも近年、小売企業各社が力を入れているのがブラックフライデーです。

ブラックフライデーは、米国の感謝祭(11月第4木曜日)の翌日に行われる大規模なセールが起源とされています。クリスマス商戦の幕開けとして、売上が黒字(ブラック)になることからこの名前がついたそうです。

日本でのブラックフライデーは、2014年にトイザらスが開催したのが始まりと言われています。その後、Amazonや楽天市場、タカシマヤや伊勢丹などの百貨店、ファッション系ECサイト、イオンなどが続き、すっかり年末に向けての風物詩として定着しました。

写真=iStock.com/Charles-McClintock Wilson
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/Charles-McClintock Wilson

Amazonの過去の価格変動動向を見ると、ブラックフライデーは「年間の底値で買える機会」と言っても過言ではありません。物価高で家計が厳しい今日この頃。日用品などの生活必需品からギフト、家電といった欲しいもの、必要なものを年間でもっとも安く手に入れられる絶好のチャンスです。

まずは、利用者の多いAmazonと楽天市場、そして私が毎年利用する百貨店オンラインサイトの“ブラックフライデー必勝法”についてご紹介します。

■【Amazon】「先行セール」で即買い推奨

私は毎年、Amazonのブラックフライデーをフル活用しています。Amazonではセール期間中、一定額以上の買い物をするとポイント還元率がアップするキャンペーンを開催します。参加するには事前エントリーが必要なので、買い物前にはエントリーを忘れずに。

狙い目は、セール開催の数日前から行われる「先行セール」です。欲しい商品が値下げされていたら即買いをおすすめします。なぜなら、人気商品は本セールを待たずして在庫切れになることも珍しくないからです。過去の事例を見ると、先行セールも本セールも原則として割引率は変わりません。むしろ、先行セールは数量限定だったり、本セールではゲットできないクーポンが発行されることがあったりするため、安くなっていればその時点で「買い」です。

Amazonのブラックフライデーでは、Fire TV StickやFireタブレットなどAmazonの自社製品が大幅に値下げされます。また、モバイルバッテリーや液晶モニター、ワイヤレスイヤホンなどのガジェット類、日用品・食品など、幅広いカテゴリーの商品も割引されます。

特に、洗剤や柔軟剤といった日用品は、ドラッグストアなどには並んでいないAmazon独自の大型サイズが展開されます。商品価格ではなく、1mlあたりの価格で普段購入するメーカー品と比較すると、お得かどうかが正確にわかります。「定期おトク便」指定商品だった場合、さらに値引き率が高くなります。「定期おトク便」はその商品を定期的に届けてもらうサービスですが、1回のみの利用も可能ですのでしっかり活用しましょう。

■【楽天】楽天リーベイツで獲得ポイント増加

普段から楽天ポイントを貯めている「楽天経済圏」の人にとって、楽天市場のブラックフライデーはお祭りのようなものです。楽天市場でも、日用品や食料品、アパレルなど、幅広い商品が値下げの対象となります。

写真=iStock.com/coffeekai
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/coffeekai

ブラックフライデーのセール期間は、複数の店舗で買うほどポイント倍率が上がる「買い回りポイントキャンペーン(お買い物マラソン)」の開催が恒例となっています。これに加え、期間中はぜひ「楽天リーベイツ」も活用してほしいと思います。

楽天リーベイツは、提携ストアの公式ウェブサイトで買い物をする際に、楽天リーベイツのサイトを経由することで、購入金額に応じた楽天ポイントが還元されるサービスです。たとえば家電を買う場合、楽天リーベイツでビックカメラを選び、「ストアにすすむ」ボタンを押してビックカメラのサイトに遷移します。そしてそのまま商品を購入すると、ビックカメラのポイントと楽天ポイントの両方が付与されます。

提携ストアはAppleやビックカメラ、ユニクロ、NIKE、カルディなど800以上ありますので、ブラックフライデーでも広く活用できるでしょう。

また、ブラックフライデーなどの大規模なセールでは、楽天市場から「先着1000名限定で30%オフ」「3000円以上で1000円OFF」など、かなりお得なクーポンが発行されます。このクーポンは数量限定で、クーポン取得の“早押し大会”になることも多いので、そのクーポンを使うか使わないかは別として、まずは取得しておくことをおすすめします。

■【百貨店】良質な商品をお得に購入

近年は大手百貨店のECサイトでもブラックフライデーが開催されるようになりました。中でも私が特におすすめするのは「高島屋オンラインストア」です。

百貨店のECサイトでは「目玉商品」が登場するケースが多く、宝石類が登場することも! 私は昨年、定価1万円のカシミヤマフラーを5000円で購入しました。これ以外では、寝具やタオルなどのリネン類も狙い目です。品質が良く、長く使えるものを購入しておくと、その後の買い替えも防げるので“真の節約”になります。

また、ブラックフライデーのある11月から12月にかけては、ちょうどお歳暮シーズン。高島屋オンラインストアではお歳暮商品が数多く揃っており、「送料無料クーポン」を使用すれば、1注文限定で送料が無料になります。しかもこの1注文で「複数の送り先」を指定することも可能。送料はもちろんすべて無料になります。送料に関して今年も同じ条件になるかは不明ですが、お歳暮を複数発送する必要がある人はぜひチェックしてみてください。

なお、高島屋オンラインストアのブラックフライデーは、セール開始と同時にサイトへの入場制限がかかるほど人気です。利用するには会員登録が必要なので、事前に登録をしておきましょう。また、高島屋オンラインストアは楽天リーベイツの提携ストアでもあります。楽天経済圏の方はリーベイツ経由の買い物を検討してみてくださいね。

■BFは「リスト化」「予算決め」が命

セールのお得感に背中を押され、ついつい無駄なものを買いすぎてしまう……。そんな失敗をしがちな人は、ほしい商品をリスト化しておくことをおすすめします。

写真=iStock.com/inomasa
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/inomasa

わざわざリストを作るのが面倒なら、欲しい商品を見つけて「お気に入り登録」をしておくだけでもよいでしょう。楽天市場などでは、お気に入り登録した商品のクーポンが発行されたときに通知が届くので、お得なチャンスを逃さずに済みます。

また、セール前にはあらかじめ「予算額」を決めておくと、計画的かつ賢い買い物につながります。ネットショッピングではクレジットカードを使う人が多いと思いますが、ついついカードを使い過ぎてしまう人は、あえて銀行口座からチャージして使用するpaypayなどを使うことで無駄買いを防げます。なお、クレジットカードの支払い方法のうち、リボ払いは絶対に避けましょう。手数料が高く、節約どころか浪費のもとです。

■「99%引き」には要注意

もうひとつ、商品が“玉石混交”のAmazonでは、商品の価格推移をグラフで表示できる「Keepa」というツールを利用するのがおすすめです。セール価格になっている商品の中には、定価を普段の2倍に釣り上げて「50%OFF」などと表示している、悪質なケースもあります。しかしこのKeepaを見れば、過去の価格推移が一目瞭然。“見せかけのお得商品”を回避することができます。

また、「99%OFF」など驚くような割引率を掲げている商品も見かけますが、これにも要注意です。粗悪品やアフターサービスのない出所不明な商品を販売する業者が、ユーザーの目を引くためにこうした大きな値引きを行うケースがあるからです。

こうした業者の商品を避ける目的から、Amazonが直接販売・配送している商品だけを表示したい場合には、Amazonの検索結果URLの末尾に「&emi=AN1VRQENFRJN5」を追加すると除外できます。必要に応じてご活用ください。

■唯一「買わないほうがよいもの」

また、唯一購入に慎重になったほうがよいのが、アパレルです。アパレルは年明けセールが最も値引率が高くなる傾向にあるため、すぐに必要のないものは年始まで買い控えておいたほうがお得だと言えます。ただし、これからさらに冷え込んできますので、今必要なものはブラックフライデーで購入しましょう。

ブラックフライデーでは「衝動買い」よりも「準備買い」が節約の鉄則です。ほしいものをリスト化し、予算ルールを決め、必要なものを必要なだけ購入する。物価高が続く今だからこそ、セールを賢く活用し、楽しいお買い物をしましょう。

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丸山 晴美(まるやま・はるみ)
節約アドバイザー
22歳のときに節約に目覚め、2001年に節約アドバイザーとして独立。各種メディアで、身の回りの節約術やお金の貯め方などについてアドバイスを行う。著書は『シングルママの「お金に困らない」本』(徳間書店)など多数。
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(節約アドバイザー 丸山 晴美 取材、構成=ライター・宮原智子)