8日からの週は、ドル円が上下動。石破首相の退陣表明や主要な米経済指標、欧州政治イベントを背景に方向感を探る展開がみられた。週明けは「石破ショック」による急速な円安でドル円は148円台半ばに上昇、クロス円も上昇する円安の動きが広がった。しかし、弱い米雇用統計などを背景にFOMC利下げ観測は根強く、ドルは上値を抑えられ、ドル円の上昇は一時的にとどまった。米雇用者数の年次改定による過去最大規模の下方修正や、日銀の年内利上げ可能性報道も加わり、一時146円台半ばまで円高が進んだ。しかし、売りも続かずドルに買い戻しが入り、147円台を維持した。週央は米PPIの下振れを受けて米利下げ期待が強まったものの、市場反応は限定的で、ドル円は147円近辺でもみ合い。ECB理事会は金利据え置きで利下げサイクル終了が意識され、ユーロドルは底堅さを維持した。週後半は米CPIの予想上振れにもかかわらず、新規失業保険申請件数の増加でドル売りが強まり、ドル円は再び146円台へ下落。ただ、その後は持ち直し147円台に復帰するなど不安定な値動きが続いた。クロス円は総じて高値圏を維持したが、円安の勢いはやや鈍化している。政治要因で円が売られる場面と、米利下げ観測でドルが売られる場面が交錯し、ドル円は146円台から148円台までのレンジ内で上下動する週となった。

(8日)
 東京市場は、石破首相の退陣表明を受け、週明けから円安が優勢となった。先週末の米雇用統計によるドル安・円高から一転し、ドル円は先週末終値の147.40台から148.58近辺まで上昇。その後は利益確定売りや調整で148.00付近まで下落し、午後は148.20台にとどまった。クロス円も同様に円売りが進んだ。ユーロ円は172.70から173.91まで上昇し、昨年7月以来の高値圏をつけたが、174円台には届かず。その後は173.40付近まで調整した。ポンド円も199.10から200.35付近まで上昇し、昨年7月以来の高値圏をつけた後、200.00を挟んでの推移となった。総じて円相場主導の展開で、ユーロドルやポンドドルは比較的落ち着いた動きだった。ユーロドルは1.1710を挟んだ推移、ポンドドルは1.3480-1.3510のレンジで動いた。

 ロンドン市場は、ドル売りが優勢。先週末の米雇用統計の弱い結果を受けて、9月米FOMCでの利下げがほぼ完全に織り込まれている。25bp利下げが9割、50bp利下げが1割程度と大幅利下げ期待も出てきている状況。ドル円は週末の石破首相辞意表明を受けて、先週末の147円台半ばから東京午前には148円台半ば超えまで買われた。しかし、その後はドル売りに上値を抑えられている。ロンドン序盤には147.40台まで下落、石破ショックの円安は一服している。ただ、足元では147円台後半へと再び買われており、方向性は定まらない。クロス円は週明けの急速な円安に調整が入っており、ユーロ円は173円台前半、ポンド円は199円台へと下押しされている。ドルストレートはややドル売りに傾いており、ユーロドルは1.17台前半、ポンドドルは1.35台前半で推移している。米10年債利回りは4.10%付近が重く、一時4.07%台まで低下した。きょうは目立った経済統計発表は予定されていない。あすの米雇用者数の年次改定が注目されているもよう。

 NY市場では、ドル安が続き、ドル円は147円台前半で伸び悩んだ。前日の石破首相辞任報道で開いた円安の窓を埋める形となった。市場は来週の9月FOMCを控え、今週発表される米消費者物価指数に注目している。エコノミストからは、企業が関税によるコストを消費者に転嫁しやすいため、CPIが高めに出る可能性が指摘された。短期金融市場では年内3回の利下げ確率が80%まで高まっており、9月の50bp大幅利下げが焦点となっているが、その可能性は低いとみられている。ユーロドルは買いが続き、一時1.1765ドル付近まで上昇。ユーロ円は173円台での推移が続いた。仏国民議会でのバイル首相に対する不信任案の可決後もユーロの反応は限定的だった。今週のECB理事会を控え、ユーロの強気ポジションへの需要は堅調だ。ポンドドルも買い戻しが続き、1.35ドル台半ばまで上昇。ポンド円は前日の円安から一時200円台を回復したものの、199円台後半で底堅く推移している。ストラテジストは、英国の財政見通しから中期的なポンド下落を指摘している。